新年早々の能登半島地震は衝撃的であった。地震と津波により住宅被害・家屋倒壊は甚大である。営々として築いた家屋と各家財が失われた被災者の皆さんの現状に心が痛むものである。
今後の課題は、生活の基盤をなす家屋の再建と家具家財の購入であろうと思われるが、先日、産経新聞記事によると、その原資のなる地震保険の加入率が低いことに驚いた。
地震保険の加入率は、令和4年全国平均35.0%に対して、石川県は30.2%であると報じられた。
私は、自衛隊退官後、終の住処を浜松と決め、平成2年(1990年)に自宅建設した。当然の如く、建設と同時に火災保険と地震保険に加入して、それ相応の保険金を設定した。
ひとたび火災や地震に遭遇した場合、定年後の労働年齢と財力からして、自力で再度自宅を建設することは不可能と考えて、万一に備えて長年相応の保険料を支払ってきた。これからも継続することにしている。
そこで、先日は、2日間ばかりパソコンに向き合い、一年間の支出を項目別に全部入力し、わが家の家計診断を行ってみた。
残り少ない人生であるが、「去る鳥跡を濁さず」のとおり、子供たちにいっさい借財を残さず、迷惑をかけずに、きれいさっぱりと行きたいと思い、年金生活における家計を再点検してみた。
農家の六男坊として生まれ、高校を卒業すると、陸自、次いで空自に入隊し、裸一貫で生きてきた。特別に親からもらった財産があるわけでもなく、35年余の自衛官生活後定年退官、退職金と貯蓄で自宅を建設し、第二の就職を経て年間生活を続けている。
わが家の家計は、昔から言われている「入るを計って、出ずるを制す」を基本としており、収入は年金のみで、株や不動産収入などいっさいない。ほんの少しの貯蓄があるだけである。
こうしたことから、パソコンに現状を入力し再点検してみた。健康であれば、特別なことがない限り、質素に暮らし、贅沢をしなければ何とかやって行けるというのが自己診断結果であった。そのためにも、何とか元気に自力で過ごしてピンピンコロリと行きたいところである。
10年前とも比較してみると、恒常経費は横ばいであるが、自宅と家具家財などは、経年変化による修理費、更新などの出費が増大であった事があげられる。
令和6年能登半島地震を契機に、火災、地震保険について再点検する機会を与えられた。災害は忘れた頃にやってくるからだ。