わが87歳の健康法( 4 )  万事 細事にこだわらず、おおらかに過ごす

 わが健康法の4番目は、「万事細事にこだわらず、おおらかに過ごすこと」である。

 誰でも、歳を重ねるとつれて、視力は低下してくる、耳は聞こえが悪くなる。歯が欠けたり噛む力が弱くなってくる。さらに身体全体と手足指の動きが鈍くなる。身体の全てにわたって機能低下が進んでくるものだ。これが人間の姿である。一時的に止めることはできても、次第に枯れていくものである。逆らうことのできないものである。

 青年期、壮年期、熟年期及び高齢期の前半は、やるだけのことをやってきたとの思いから、高齢期の後半は、「万事些細なことにとらわれずおおらかに過ごす」ことにしている。一番座りが良い。

 昔の物語には、意地悪の爺さん、婆さんが出てきたが、この頃の物語ではどうなっているのであろうか。歳を取っても口だけは達者な方もいるが、どちらかというと周囲からはあまり歓迎されない存在となってくるようである。他人をほめるより、けなしたり悪口の方が多いからのようだ。

 直接、他人の安全管理など生命危機に関わることに直面した時を除き、「見ザル・聞かザル・言わザル」がよいのではなかろうか。そうすると自ずと、些細なことに関わらず、おおらかに過ごせることになる。他人に目を向けるのではなく、自然の風景、動物植物など自然界や趣味、家庭菜園、やり残したことなどに熱中すると楽しく明るく充実した毎日を送ることができる。

 自分の身体のことも同じである。80代になって何もなかったら不思議である。老化しあちこちと不具合が出るのは当たり前である。そうかといって、今更右往左往することもない。全てを肯定し受け入れて、自分なりに努力して、おおらかに毎日を過ごすに限る。