第19回国民の自衛官顕彰(8) 国民の自衛官横顔「空自第5高射群整備補給隊 内田真一空曹長(48)」

 9月7日から第19回国民の自衛官に選ばれた9人1部隊の横顔が産経新聞に掲載され.るようになった。

 「国民の自衛官」顕彰に敬意を表し、顕彰事業創設以来、毎回受賞の紹介記事を自衛隊OBの一人として関心を持って拝読している。

 この顕彰事業の特色は、自衛官の顕彰を通じて、国民の前に第一線の部隊等で国家防衛の使命を黙々と遂行している自衛官の姿を浮き彫りにしその実態の一端が紹介されることにあり、大変喜ばしいことである。

 こうしたことから、多くの国民に知ってもらいたいの一念と優れたもったいない記事であるので、逐次紹介したい。

❶  国民の自衛官横顔「空自第5高射群整備補給隊 内田真一空曹長(48)」

f:id:y_hamada:20210917074632j:plain

❷ 海外旧主要戦域等での遺骨収集 

            厚生労働省ホ-ムベージ 出典

〇遺骨収集の実施

 海外などからの戦没者の御遺骨の収容は、昭和27年度から南方地域において始まりました。その後、平成3年度からは旧ソ連地域における抑留中死亡者について、更に平成6年度からはモンゴルにおける抑留中死亡者についても御遺骨の収容が可能になりました。

 この結果、これまでに約34万柱の御遺骨を収容し、陸海軍部隊や一般邦人の引揚者が持ち帰ったものを含めると、海外戦没者約240万人のうちの約半数(約128万柱)の御遺骨を収容しています。

 戦没者の御遺骨が残されている地域には、相手国の事情や海没その他の自然条件等により収容ができない地域等が残されていますが、今後も現地政府などからの残存遺骨情報の収集に努め、そうした情報に基づき、御遺骨の収容を実施することとしています。  

相手国の事情により御遺骨の収容ができない国には、外務省と連携し御遺骨の収容の実現に向けて努力しているところです。

 なお、旧ソ連及びモンゴル地域においては、先の大戦の後に約57万5千人の方々(帰還者からの聴き取りによる推計)が抑留され、約5万5千人の方々が抑留中に死亡されていることから、こうした抑留中死亡者の方々に関する埋葬地の特定や御遺骨の収容の実施に努めており、平成28年度までに19,869柱の御遺骨を収容し、モンゴル地域についてはおおむね収容が終わっています。

 平成28年3月には、「戦没者の遺骨収集の推進に関する法律」(平成28年法律第12号)が成立しました。戦没者の遺骨収集が国の責務と位置づけられたほか、平成36年度までの期間が遺骨収集施策の集中実施期間とされ、関係行政機関との連携強化、基本計画に基づく遺骨収集の実施について規定されました。厚生労働省では、同法に基づき遺骨収集の取組みを一層強化していきます。

 また、平成28年5月31日には上記法律の規定に基づく、「戦没者の遺骨収集の推進に関する基本的な計画」が閣議決定され、同年8月19日に上記法律に基づき、戦没者遺骨の情報収集・遺骨の収容、送還を適正かつ確実に行うことができる法人として一般社団法人日本戦没者遺骨収集推進協会を厚生労働大臣が指定しました。指定法人は、厚生労働省の指導監督の下、民間団体等の協力を得ながら、戦没者の遺骨に関する情報の収集及び遺骨収集を実施します。

〇海外戦没者遺骨の収容状況

  令和3年3月31日現在

海外戦没者概数
約240万人

収容遺骨概数

約128万柱

未収容遺骨概数

約112万柱

うち[1]海没遺骨

約30万柱

[2]相手国事情により収容が困難な遺骨

約23万柱

上記[1]、[2]以外の未収容遺骨(最大)

約59万柱

  1. (注1)遺骨収集事業による収容遺骨数 約34万柱
  2. (注2)千鳥ヶ淵戦没者墓苑納骨数 約37万柱

図表による説明

f:id:y_hamada:20210918113612j:plain

f:id:y_hamada:20210918113653j:plain

f:id:y_hamada:20210918115434j:plain

硫黄島、沖縄における戦没者遺骨収集

f:id:y_hamada:20210918114012j:plain

❸ 所感

①  戦没者の遺骨収集ボランティア

 内田空曹長が沖縄勤務において、立派に防衛任務を果たす傍ら、沖縄戦で散華された戦没者の遺骨収集ボランティアに率先して取り組んでこられたことに対して敬意を表します。

 職務に専念しながら、私的な時間にボランティアで極めて困難な遺骨収集を100回以上にわたり実行したことはなかなかできることではない。

 自衛官は地域社会において、職務の傍ら様々な分野でボランティア活動を行い、多くの「頼りになる自衛官」が存在している。内田空曹長もその一人ではなかろうか。

②  国家としての戦没者の遺骨収集

 今回改めて、戦没者遺骨収集事業の全体像について確認してみた。厚生労働省ホームページに、戦没者遺骨収集事業の現状と計画が公表されている。とても分かり易い内容となっているので、文書形式と図表形式の一部を取り上げてみた。

 特に、海外戦没者概数約240万人に対して、収容遺骨概数約128万柱であり、未収容遺骨概数約112万柱に心が痛むものがある。

 自衛隊OBで組織する隊友会やつばさ会でも政府の実施する遺骨収集事業に参加した隊友等の報告書を拝読すると、いかに困難を極める作業であるかを認識している。

 しかし、どんなに困難があっても、海外及び国内における戦没者遺骨は幾代にわたっても国家の責務である。概要を見ると様々な制約があるが海外等異国の地に眠る戦没者遺骨を母国故郷になんとしても帰還させたいものである。

③   OBの地域社会における一人一役活動

 自衛官の職務遂行の根底にあるものは、愛国心愛郷心である。OBになっても変わらないであろう。こうした視点から隊友会支部長に就任した折、地域社会における一人一役を提唱した。

 多くのOBが地域の自治会、各種団体の長及び役員、スポーツ等の指導者、民生委員、総代などで地域社会の一員として大きな役割を果たしている。そのことにより国民と自衛隊の架け橋となる役割も果たしている。

 ちなみに、わが神原町航空自衛隊浜松基地周辺の町で昭和30年(1955年)に誕生した。誕生から約30年間は、自治会長は地域の資産家等有力者が就任していたが、自衛官が定年退官し、周辺の地域に多く永住し出した昭和60年(1986年)年代から今日までを見ると、自治会長経験者は13名のうち5名が航空自衛官OB名である。

 退官後、地域にしっかりと根を下ろして、町民から推挙されて自治会長に就任し、自衛隊での知識経験を生かし、斬新な発想で地域社会に貢献している。