86歳老いる雑感(249) 過保護にせず弱いところを強くする

 70代に入ってから、身体の弱いところが顕著になってきた。視力、聴力、歯力、握力、脚力、走力、跳躍力、足腰の屈折の低下、膝や腰、肩の痛みなど歳を重ねるにつれて出てくるようになった。

 最初の頃は、それぞれ専門医を訪れて治療を受けたが、一時的な回復、停止などの効果はあったが、しばらくすると再発しその繰り返しであった。最終的には、年相応に自分で自分の身体を鍛える以外にないことを悟った。

 歳を取れば身体の機能が低下することは当たり前のことで、自然の摂理として受容する以外にないこと、現実を受け入れることから始まる。

 腰が痛くなると、じっとしていたが、経験を積んでくると、腰を強くする運動を取り入れることによって、腰痛を予防する方法を自分流に会得することができた。

 調子が良いと、腰の運動を怠ることがある。ちょっとした兆候が分かるようになったので、すぐに腰の運動を行うことによって防止することができるようになった。

 ここ20年近くの経験則から、過保護はかえって弱いところを弱くすることになることから、少しでも当該部を強くする方向で対処してきた。

 毎日散歩をするのも、歩く能力を維持したいと言う思いからの努力である。歩けなくなったらどうなるかその末路がよくわかっているからだ。

 これも生活の知恵のようなもの、無理をしないで、自分で対処していく姿勢が元気を維持することにつながってきたように思う。全てがうまくいくわけではないが、かなりを上向きにすることができる。

 健康維持の大敵、一番の阻害要因、障害物は自分自身である。歳・年だからと言う甘えこそその最たるものではなかろうか。甘えは心地よいものだ。そこに落とし穴がある。自分自身をいたわり過ぎ、過保護し過ぎると、いつのまにやら弱さが弱さを呼びさらに弱くなってくる。

 歳をとるからこそ、歳を重ねるからこそ、甘えないで、他力ではなく、自分の意思で、自分の力で、立ち向かう必要がある。他人と比較したり他人を真似ることもない。自分に合ったやり方、これが自分流の対処方法である。