コロナウイルスが全世界を席巻したとき、わが国は黒船の出現のように、想定外の事態に民心の不安と真偽情報の交差と危機意識の欠如、危機管理体制の不備により、対処方策は試行錯誤し右往左往したことが、つい先頃までであった。
コロナ来襲の第1次から第5次の戦いにおいて、多くのものを学び、どこの何が弱点でどこをどうすればよいかも分かってきた。
特に、コロナの初動対処のあり方については、未知の新変種といえども、かなり万全の対処策を確立するノウハウを積み上げてきたように理解している。
第5次においては、当時の菅義偉総理大臣の断固たる方針「1日100万回接種」の下令と実行力によって、1日100万回接種は実現し、それを上回る実績を上げることができた。第6次のオミクロン種の急速拡大に際して、現在ワクチン接種などの諸対処が進みつある。
本日2月12日午前に、妻が第3回目のコロナワクチン接種で、インターネットで申し込み集団接種会場・浜松市中区のザザシティで受けた。
私は、1月20日に、町のかかりつけクリニックで第3回目を受けた。このとき、過去2回の経験と教訓から改善されるべきことは全部改善されて、受付、接種、待機、接種済み証明書類など迅速かつ円滑に処理されて、あっという間に終了したものである。
今日の浜松市の集団接種会場も同様で、全て改善されていた。待ち時間もなく、迅速かつ的確に対処する体制が確立されていた。よくやっているというのが実感である。
こうした点から一国民の立場から見ると、第6次のコロナ対処状況は、ワクチン接種一つにしても、政府の迅速かつ強力な対策措置は、第5次までの教訓・戦訓はどこに行ったのかと思うほどモタモタしている感じが否めない。
毎回取り上げているように、35年余の自衛隊勤務経験と歴史の教訓から「何事も初動対処は全力対処」と「最高指揮官の的確な状況判断、迅速かつ不動の決心・決断と下令、全責任を一身に負う覚悟といかなることがあってもブレない断固たる強力な実行力」にあると、毎回同じように記してきた。
古今東西、軍事組織はもとより全ての組織が有機的に活動しその使命を果たすには、最高指揮官、各級の指揮官たる組織のトップの状況判断力、決断力と実行力が不可欠である。一口で言うと「組織を動かす資質能力」である。
この資質能力は、持ち前の資質能力に不断の錬成と経験によって磨きがかかり形成されるものである。
特に、トップの資質能力は、緊急事態・不測事態等の迅速な決断と実行に際して、はっきりと現れ評価されることになる。
今朝の産経新聞に掲載された「産経抄」記事は、トップに立つ政治家の資質能力とありようを述べたもので、全く同感である。
上は国家レベルから下は町の任意の組織に至るまで、リ-ダ-に求められるものは、危機に強く、かつ決断力があることである。とりわけ国家国民の生命と財産を守るトップに立つ政治家には、国民に不人気・不評なことであっても将来を洞察し、国家国民のためになると確信することは断固としてやり抜く度胸のあるリ-ダ-であってもらいたいと思う。