第19回国民の自衛官顕彰(9) 国民の自衛官横顔「元空自整備補給群 瀧澤公昭元空曹長(55)」

     9月7日から第19回国民の自衛官に選ばれた9人1部隊の横顔が産経新聞に掲載され.るようになった。

 「国民の自衛官」顕彰に敬意を表し、顕彰事業創設以来、毎回受賞の紹介記事を自衛隊OBの一人として関心を持って拝読している。

 この顕彰事業の特色は、自衛官の顕彰を通じて、国民の前に第一線の部隊等で国家防衛の使命を黙々と遂行している自衛官の姿を浮き彫りにしその実態の一端が紹介されることにあり、大変喜ばしいことである。

 こうしたことから、多くの国民に知ってもらいたいの一念と優れたもったいない記事であるので、逐次紹介したい。

❶ 国民の自衛官横顔「元空自整備補給群 瀧澤公昭元曹長(55)」

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❷ 航空自衛隊の業務改善提案

 航空自衛隊現役時代の昭和の30年代から教務改善と提案が推奨されていた。懲りた目業務改善提案月間が設けられていた。今回最近の状況を確認するため、空自の業務改善提案規則を掲げた。

航空自衛隊業務改善提案規則
昭和63年2月5日 航空自衛隊達第1号
航空幕僚長 空将 米川忠吉
改正 平成元年2月28日 航空自衛隊達第4号 平成11年3月24日 航空自衛隊達第6号
平成元年3月16日 航空自衛隊達第25号 平成15年3月26日 航空自衛隊達第8号
平成2年5月31日 航空自衛隊達第23号 平成17年3月16日 航空自衛隊達第5号
平成4年3月27日 航空自衛隊達第6号 平成18年3月24日 航空自衛隊達第14号
平成4年6月29日 航空自衛隊達第30号 平成19年1月5日 航空自衛隊達第1号
平成4年9月29日 航空自衛隊達第46号 平成23年7月28日 航空自衛隊達第30号
平成5年11月26日 航空自衛隊達第42号 平成24年4月4日 航空自衛隊達第29号
平成7年6月2日 航空自衛隊達第42号 平成26年1月17日 航空自衛隊達第2号
航空自衛隊業務改善提案規則を次のように定める。
航空自衛隊業務改善提案規則(登録報告)
航空自衛隊業務改善提案規則(昭和42年航空自衛隊達第31号)の全部を改正す
る。
(目的)
第1条 この達は、航空自衛隊における業務改善提案(以下「改善提案」という。)
について必要な事項を定め、改善提案を通じて隊務運営に参画及び貢献することに
より、隊員の改善提案意欲を向上させ、部隊等における業務改善活動を活性化し、
もつて隊務運営の能率化を図ることを目的とする。
(定義)
第2条 この達において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところ
による。
(1) 業務改善 隊員及び部隊等が創意工夫により隊務運営の能率化を図る活動をい
う。
(2) 改善提案 隊員及び部隊等が業務改善の案を提出すること又は提出した業務改
善の案をいう。
(3) 隊員による改善提案 隊員が単独又は共同で実施した改善提案をいう。
(4) 部隊等による改善提案 部隊等の組織活動を通じて実施した組織、制度、手
続、計画等に係る改善提案をいう。
(5) 部隊等 編制部隊、編制単位群部隊、編制単位部隊及び機関並びに航空幕僚監
部の部、監理監察官、首席法務官、首席衛生官、課、監理官、監察官及びこれに
準ずるものとして航空幕僚長が指定する組織をいう。
(6) 編制部隊等 編制部隊、機関及び航空幕僚監部をいう。
(7) 上級部隊等 編制部隊等(航空幕僚監部を除く。)の上級の部隊及び機関又は
航空幕僚監部をいう。
(8) 管理者 航空自衛隊の編制に示す組織の長及び当該組織の長が定める内部組織
の長をいう。
(9) 装備品等 防衛省設置法(昭和29年法律第164号)第4条第13号に規定
する装備品等をいう。
(10) 表彰権者 表彰等に関する訓令(昭和30年防衛庁訓令第49号)第10条及
び第17条に規定する表彰権者をいう。
(業務改善の要件)
第3条 業務改善は、次に掲げるいずれかの効果が得られることを要件とする。
(1) 人員の削減
(2) 時間の短縮
(3) 物品、経費の節減
(4) 機能、性能の向上
(5) 信頼性の向上
(6) 安全性の向上
(7) 汎用性の向上
(8) その他隊務運営の能率の向上
(隊員及び管理者の責務)
第4条 隊員は、業務の改善を常に心がけ、積極的に改善提案を行うよう努めるもの
とする。
2 管理者は、部下隊員の改善意欲を振作するとともに、改善提案を奨励するものと
する。
3 管理者及び改善提案の処理に関係する隊員は、当該改善提案の処理が終わるまで
の間、提案の内容を漏らしてはならない。
(業務改善担当者)
第4条の2 管理者は、業務改善に関して管理者を補佐する者として、部下隊員であ
る幹部自衛官又はこれに相当する事務官等の中から業務改善担当者を指定するものと
する。
2 管理者は、必要に応じて、業務改善担当者の補助者を指定することができる。
(業務改善実施計画)
第4条の3 編制部隊等(航空幕僚監部を除く。)の長は、原則として次の各号に掲げ
る事項を含む業務改善実施計画を各年度ごとに作成するものとする。
(1) 方針
(2) 重視事項
(3) その他必要な事項
(改善提案の対象)
第5条 改善提案の対象は、自己の所掌する業務に関すると否とにかかわらず、隊務
運営の改善に寄与する全ての事項とする。ただし、次の各号に該当する改善事項に
係る処理については、それぞれ当該各号に掲げる規則の定めるところにより処理す
るものとする。
(1) 技術改善要望 航空自衛隊の研究開発業務の運営に関する達(平成3年航空自
衛隊達第20号)
(2) 技術指令書改善提案 技術指令書(J.T.O.00-5-1)
(3) プログラム指令改善要求 技術指令書(J.T.O.00-5-1)
(4) プログラム改修要求 技術指令書(J.T.O.00-5-17)
(5) 前各号の改善事項以外の改善事項で、その処理に関して規則に定めのあるもの
当該規則
(改善提案の方法)
第6条 改善提案を実施する隊員及び部隊等(編制部隊及び機関を除く。)の長は、
別紙第1に掲げる事項を記載した業務改善提案書を作成し、編制部隊等の長の定め
る手続に基づき提出するものとする。
2 改善提案を実施する編制部隊及び機関の長は、前項の業務改善提案書を作成する
ものとする。
(改善提案の処理)
第7条 編制部隊等の長は、業務改善提案書を受理した場合、原則として3か月以内
に次の各号に掲げる処置のうち必要な処置をとるものとする。
(1) 改善提案の審査
(2) 採用、不採用又は上申の決定
(3) 提案者及び提案部隊等(編制部隊及び機関を除く。)への審査結果の通知
(4) 採用と決定した改善提案による改善の実施及び実施結果の確認
(5) 上申と決定した改善提案の上級部隊等の長への上申
(6) 特許権実用新案権又は意匠権を取得できると判断した場合における所要の手
続の指導
2 編制部隊及び機関の長は、業務改善提案書を作成した場合、次の各号に掲げる処
置をとるものとする。
(1) 改善の実施及び実施結果の確認
(2) 上申が必要な場合における上級部隊等の長への上申
(改善提案の上申)
第8条 編制部隊等の長又は上級部隊等の長は、次の各号の一に該当すると判断した
改善提案(以下「上申提案」という。)について、別紙第2に掲げる事項を記載し
た業務改善提案上申書を作成し、上級部隊等の長に上申するものとする。
(1) 採用(実施を含む。以下同じ。)を適当と認めるが、権限を有しないため自ら
改善の実施ができないもの
(2) 改善提案の採否の判定が困難なもの
航空幕僚長に上申する場合で、改善提案の内容が装備品等の改善に関わるものに
ついては、写しを補給本部長に送付するものとする。
(上申提案の処理)
第9条 上級部隊等の長は、業務改善提案上申書を受理した場合、原則として3か月
以内に次の各号に掲げる処置をとるものとする。ただし、前条第1項第1号に該当
すると判断したものについては、原則として1か月以内に上申手続をとるものとす
る。
(1) 改善提案の審査
(2) 採用、不採用の決定
(3) 上申元の編制部隊等の長及び上級部隊等の長への審査結果の通知
2 上級部隊等の長は、採用と決定した改善提案の実施に必要な処置をとるものとす
る。
航空幕僚長は、改善提案の内容が装備品等に関わるものの審査のため必要と認め
る場合、補給本部長に検討を指示するものとする。
4 補給本部長は、前項により検討を指示された場合、審査、判定に必要な意見及び
処置案を付し、航空幕僚長に報告するものとする。
(改善提案の報告)
第10条 編制部隊等の長は、採用した改善提案、上級部隊等の長から採用の通知を受
けた上申提案及び第5条ただし書の規定により処理された事項に係る改善提案を実
施した結果、改善効果が高く、他の部隊等の参考になると判断した改善提案(以下
「報告提案」という。)について、業務改善提案報告(別紙様式第1)により、そ
の都度、航空幕僚長に報告するものとする(02-R10-AR(D))。
(報告提案の処理)
第11条 航空幕僚長は、報告提案を審査し、優良と判断したものを優良提案に指定す
るものとする。
航空幕僚長は、優良提案の利用範囲の拡大を図るため、各年度第2四半期末まで
に前年度の優良提案を掲載した優良提案集を作成し、全部隊及び機関に通知するも
のとする。
航空幕僚監部監理官は、改善効果が高く、防衛省全体に普及することが適当であ
ると航空幕僚長が判断した改善提案を大臣官房企画評価課長に通知するものとす
る。
(優良提案褒賞)
第12条 航空幕僚長は、優良提案のうち、優秀と判断した隊員による改善提案の提案
者及び部隊等による改善提案の提案部隊等に対して、優良提案褒賞状を授与して褒
賞する。
2 優良提案褒賞状の様式は、別紙様式第2によるものとする。
(改善提案の表彰)
第13条 表彰権者は、航空幕僚長が通知する報告提案の審査結果に従い、隊員による
改善提案の提案者及び部隊等による改善提案の提案部隊等を表彰することができる
ものとし、その基準は、次の表のとおりとする。
表 彰 の 対 象 隊員の表彰 部隊等の表彰
報告提案の審査結果が「A」の改善提案 第3級賞詞 第3級賞状
報告提案の審査結果が「B」以上の改善提案 第4級賞詞 第4級賞状
報告提案の審査結果が「C」以上の改善提案 第5級賞詞 第5級賞状
2 前項の規定によるほか、表彰権者が表彰に価すると判断した場合、表彰等に関す
る訓令の定めるところにより行うものとする。
(改善提案状況報告)
第14条 編制部隊等の長は、当該部隊等における、当該年度の改善提案状況を業務改
善提案状況報告(別紙様式第3)により翌年度の4月30日までに航空幕僚長(監理
官気付)に報告するものとする(02-R11(D))。
(委任規定)
第15条 この達に定めるもののほか、この達の実施に関し必要な細部事項は、編制部
隊等の長が定めるものとする。
附 則
この達は、平成24年4月1日から施行する。
附 則
この達は、平成26年4月1日から施行する。

❸ 所感

①   空自における業務改善

 業務改善の対象範囲は、実に幅広く、次に掲げるいずれかの効果が得られることを要件としている。空自の創設時から業務改善の対象内容は基本的に変わっていないように思われる。改善に改善が重ねられた規則となっているようだ・
(1) 人員の削減
(2) 時間の短縮
(3) 物品、経費の節減
(4) 機能、性能の向上
(5) 信頼性の向上
(6) 安全性の向上
(7) 汎用性の向上
(8) その他隊務運営の能率の向上

②   探究心、研究心、改善意欲

 瀧澤元空曹長が、業務改善の功績で「国民の自衛官」として顕彰されたのは珍しいことである。過去8回の業務改善表彰は素晴らしい業績である。戦闘機部隊の修理隊で現場の毎日の修理作業から発した顕著な改善提案であり文部科学省大臣の創意工夫功労賞を受賞したことは素晴らしい。特許もとったとは拍手喝采である。日頃の業務に対する 探究心、研究心、改善意欲から発したものである。定年退官後も分野は異なっても、担当の業務を積極的に改善してもらいたいと思う。

③ 業務改善ヘの取り組み

 空自の創設に入隊したので、常に前進、創造、改善を求められてきた。その点では自分の担当業務については前例にとらわれることなく、改善すべきところは敢然として改善できた。建設期であったから部隊全体が前進、創造、改善の雰囲気であったように記憶している。

 業務改善提案にも応募したことがあった。後年は業務改善審査委員会の委員をしたことがある。また、人事担当として表彰業務を行った。

④ つばさ会の「航空自衛隊業務改善提案」優良提案褒章の支援

 航空自衛隊退職団体である「つばさ会」は、「航空自衛隊業務改善提案」優良提案褒章の支援をしている。業務改善提案は毎年5000〜6000件ほどあるようだ。その中から選ばれている。優良提案褒章と同様に各種競技大会の表彰の支援も行っている。つばさ会報でどんな隊員が表彰を受けたのか表彰式記事を拝見するのも楽しみの一つである。