がんとの闘い(63) 術後から6年目の6か月定期診断に寄せて

 9月末は、病院で6ヶ月ごとの経過観察で、尿検査を受けました。7年半前に発病し、腎臓がん、次いで膀胱がんの手術を受けてから無事に6年余が経過しました。検査結果も異常なしの診断でした。次の定期検診は来年3月です。

 こうしたことから、85歳にして、日々元気でいられることに感謝しています。昔から二度あることは三度とありますが、今日まで何事もなく過ごせたことに感謝しています。今までは運が良かったかもしれませんが、これから先のことは油断大敵です。

 70代になって、わが人生における生命の一大危機を経て、「生かされた命であること」から身体が動くかぎりは「身体を動かすため積極的に活動すること」にしました。

 これは、最後となった3度目の入院退院に際して、再度固く決意したことは、じっと御身大切に動かないより、生かされた命を最大限有効に使うことでした。この信条を守って毎日を過ごしています。

 この6年間余で気がついたことは、歳を取ったからと動かないでじっとしていないで、出来るだけ、自分の意思で、自分の力で動く、歩くことが健康の源であることを確信したことです。人間にとって最高のものは、自分のことは自分でできる、自分でやりたいことができることに尽きます。そのためには元気と健康です。

 足が痛いから動かないのではなくで、多少の痛さは我慢して歩く、腰が痛いからと言って動かないのではなく、腰の運動を続けること、とにかく動くことに努めています。肩が痛いからと使わないのではなく、多少我慢して使うことにしています。

 これらは多くの場合、自分の身体を労りすぎて、じっとしているとかえって骨は老化、筋肉の硬直・収縮が進み老化を加速させているように思われます。

 高齢になれば、身体全体が次第に老化して、痛いところだらけとなります。当たり前のことで、これを当然と是認して受け入れ、できる範囲で積極的に、意識して身体を動かすと不思議と自然に身体の不具合も和らいできます。

 病気術後の安静とは異なり、高齢者にとっては 日々老化との闘いとも言えます。自分の身体が日一日と老化をしていく中で、自らの意思と力でどのように身体と付き合っていくかであるように思います。

  私にどって、シニアクラブでの諸活動への積極的な参加もこの一環であります。人の力を借りず、介護を受けず、人生の終末を迎えたいとする自分との闘いでもあります。

 病院からの帰り道、食べ物屋に寄り、無事を祝して好物のぼた餅を2個食べたら最高で至福の時でした。