わが自治会活動の軌跡( 32) 先人たちの素朴な心の拠りどころ、町の発展と安寧を求めた神原神明宮の建立(2) 

   平成17年(2005年)4月、地域の神原町自治会長に就任して以来、毎月5日と20日の2回、「神原町自治会ニュース」を編集発行した。歳月が過ぎるのは早いもので15年が経った。
 わが町に「自治会ニュース」が創設発行されるようになってから、現在に至るも継続されて情報連絡紙として大きな役割を果たしている。
 「神原町自治会ニュース」を通じて、地域社会に生起する諸問題、自治会活動及び運営や地域の話題や町内で黙々と献身的に活躍する人々などを中心に、どのような問題に直面して、どのように対処したかを回顧してみたい。
 自治会・町内会の運営と活動は、時代、地域によって状況は様々であるが、共通するものがあるのではなかろうか。そうした視点からすると現在及び将来において、自治会・町内会の会長、副会長、会計の三役などの役員として活動される方々に参考になる点もあるのではなかろうかと思うものである。時代の進展とともに自分たちの住む町の自治会・町内会は常に新しい課題に直面しながら前進していくものであるからです。

 

神原町の成り立ち その16  ル-ツを探る

先人たちの素朴な心の拠りどころ、町の発展と安寧を求めた神原神明宮の建立はどのように行われたか 

 自治会長に就任して、誕生から50年を迎えるにあたって、何としても「わが町の歩み」をまとめる必要を強く感じました。こうした思いから先行して、自治会長経験者の長老を訪ねて資料収集と聞き取り調査をコツコツと始めました。

 その後、設立した「まちづくり委員会」でも「わが町の50年の歩み」の編纂・発行が取り上げられ、「神原町まちづくり構想」に盛られることとなりました。

 こうした背景から、調査結果の主要点を各分野にわたって、逐次紹介していきました。町民の皆さんがわが町の歴史に大きな関心を寄せて下さました。

❶ 神原神明宮の建立の由来  

◇昭和30年神原町が誕生し、町民の心の拠りどころとなるべき守護神として、昭和32年(1957)に、三重県の伊勢皇大神宮天照大神)から御神体の仮殿遷宮を願い出て神原公会堂(昭和24年落成)に安置され、昭和38年(1963)10月社殿を建立し遷座しました。

◇先人たちの素朴な心の拠りどころ、町の発展と安寧を求めたものから神原神明宮が建立されました。

◇行事は、大晦日の大祓いの儀、元日、節分、秋祭りがあり、歴史のある伝統文化は広く町民から親しまれています。


❷ 神社の施設   

神原神明宮には、社殿のほか、鳥居、燈籠、手水鉢、幟立てが配置されています。

① 鳥居  

    鳥居は、社殿建立の8年後、昭和46年4月(1971)に建てられました。柱には「奉納」、裏面には「氏子安全」、建立の年月と次の氏名が刻まれています。長谷幹男、原田宇吉、池谷公平、和久田正、髙橋三重保、池谷重夫、井嶋芳蔵、野寄力一、吉山重太郎、井嶋惣平、池谷武,池谷律司、井嶋一重の各氏です。わが町の有力者の方々が名前を連ねておられます。

② 燈籠  

   燈籠の一対は社殿が建立された年に地元の有志によって昭和38年(1963)

10月に奉納されました。銘に「御遷宮記念」とあり、建設委員池谷偆一、野寄力一、吉山重太郎の三氏 右側燈籠背面には○○○平、池谷武、○○金次郎、長谷幹男の四氏の寄進者が刻まれていますが、僅か40年で○の部分は判読し難くなっています。当時の状況から推測して○の部分は、井嶋惣平、髙橋金次郎のニ氏と思われます。高さ166cm幅64cmで歳月の経過を感じさせます。

③ 手水鉢 

  手水鉢は、社殿が建立された1年後、昭和39年(1964)元旦に建立されました。正面に「浄水」、背面に「奉納」と髙橋民作氏の銘があります。高さ60cm幅110cm厚さ56cmです。御祭を控えて原田忠俊総代はじめ役員の皆さんの奉仕で平成18年9月きれいな水が給水できるようになりました。    

④ 幟立て  

    建立の年代は不明ですが、二基とも長谷幹男氏の寄進によるものです。

❸ お祭りの伝統文化 

    毎年、10月にお祭りが行われます。農地を耕し作物の収穫に勤しんだ先人たちは、五穀豊穣、秋の収穫を喜び合い感謝してきました。お祭の背景を探ってみると、お祭りが現在でいうような宗教的なもの・宗教活動ではなく、自然な人間の天の恵みへの敬い、感謝の気持ちを凝縮したものであることを知ることができます。こうした観点で神明宮と諸行事を見ますと、神原町に存在する少ない伝統文化であるように思われます。幾世代にわたって大事にしたいものです。

❹ 町民の絆を深める行事   

   どの町でも町民の協力によりお祭りが絶える事なく続いております。お祭りは伝統文化であり、町民の力で保ち育てたいものです。これからのお祭りは、自然の恵みに対する感謝の気持ちを根底として町民のコミュニケション・連帯感・絆を深める行事にますます変容していくのではないでしょうか。

◆次回は、神明宮の運営、お祭り屋台などについて、触れてみます。

 

神原町自治会ニュ-ス No32   平成18年9月20日

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