わが自治会活動の軌跡(15) 町民の意見の集約「皆さんのまちづくりのイメ-ジ/こんな町に」とまちづくり委員会の取り組み

    平成17年(2005年)4月、地域の神原町自治会長に就任して以来、毎月5日と20日の2回、「神原町自治会ニュース」を編集発行した。歳月が過ぎるのは早いもので15年が経った。
 わが町に「自治会ニュース」が創設発行されるようになってから、現在に至るも継続されて情報連絡紙として大きな役割を果たしている。
 「神原町自治会ニュース」を通じて、地域社会に生起する諸問題、自治会活動及び運営や地域の話題や町内で黙々と献身的に活躍する人々などを中心に、どのような問題に直面して、どのように対処したかを回顧してみたい。
 自治会・町内会の運営と活動は、時代、地域によって状況は様々であるが、共通するものがあるのではなかろうか。そうした視点からすると現在及び将来において、自治会・町内会の会長、副会長、会計の三役などの役員として活動される方々に参考になる点もあるのではなかろうかと思うものである。時代の進展とともに自分たちの住む町の自治会・町内会は常に新しい課題に直面しながら前進していくものであるからだ。

1 町民に対するアンケ-ト結果の整理・集約 

 平成17年4月自治会長に就任するや、次年度に神原町誕生50周年を迎えるに際して、将来の発展のため町民の発想と英知を集めて「まちづくりプラン」を作り上げるため「まちづくり委員会」を立ち上げ活動を始めた。

 まず町民がどんな町を望むのか、どんなことに困っているのか、一番に解決してほしいことは何かなど全町民を対象にアンケートを行なった。約370世帯、約1300人からの意見が寄せられた。

 こんなことは神原町誕生以来の画期的なことで、町民の皆さんの期待はすごいものがあった。丁寧にポンチ絵を描いて様々な夢を提案して下さった方もおられ、今なお鮮明に脳裏に焼き付きついている。

❶ 町民が求める神原町まちづくりのイメ-ジ 「こんな町に」

 多数の意見を整理集約した結果は次のとおりであった。

子どもたちが安全に楽しく生活できる町
② 人にも自然にも優しい町・神原町、 人に優しい町 、互いに思いやりのある町
③ 花のある町
④ 緑の多い町(畑は今より減らさない)、緑が多くゆったりとした気持ちで住める 町、緑のある町
⑤ 緑が豊かなこの町はとても住みやすくて大好きです。
⑥ 高い建物はいらない(ビル等)、広い道路は通さない。
⑦ 静かな環境、きれいな空気の町
⑧ 田園と住宅の調和する町 
⑨ 安心・安全・静寂・尊重の町、子どもが安全通学できる町、子どもたちが安心して外で遊べる町
⑩ 騒音のない町、公害と犯罪のない町、事故や犯罪のない町
⑪ 若者や子どもが元気な町、若い人が集まってくる町、老若男女が集う町、若い家族が住みたいと思う町
⑫ 高齢者、車の増加に対応した町
⑬ 高齢者が日常生活するに困らない町、老後も安心して暮らせる町、子ども、お年寄りの住みやすい町、子どもたちが安心して楽しく過ごせる町
⑭ 公園のある町
⑮ 特徴のある町 何かポイント 例:何年も交通無事故の町

 

誰もが住みたいと思う町
・ 自然と街が調和した町・木々の下で住民が語り合い、憩える場所 
・ 古きしきたりを大切にし、伝えられる町
・ 秋祭り、笛や太鼓、納涼祭、敬老会など大事にする。
地域住民が皆なかよく助け合える町
・ 自然災害など近所同士声を掛け合って助け合う、その他の災害対処準備
住民が健康で、安全で、美しいまちづくりを目指す町
・交通事故がない街  

・花や木があふれた街
・ 住民が健康のため、畑を借りて、健康菜園 
・子どもがたくさんいる街(例:小学2年以下が2人いる家は、自治会費タダ)

・安全で歩ける所、ベンチがあって休める。
大人も子どももずっときれいな心を持つ町
イラストマップが似合う町
畑や自然を大切に守り、自然豊かな町
このままの神原町がよい。
ごみの落ちていないきれいな町
挨拶のある町、知らない人にも、気軽に声をかけられる町 
 (よい町、人間づくりは挨拶から)
⑩企業誘致、住宅誘致(団地化)

❷ 神原町まちづくりについて、「委員会で取り上げたらよいと思われる主要テ-マについての意見」の処理方針・仕分け処理区分   

   委員会は、アンケート結果の集約から、市主体のもの、神久呂地区主体のもの、神原町主体で取り上げた方が良いものに3区分した。

 神原町で取り上げた方が良いものをさらに、本委員会、自治会、関係団体及び会館運営委員会に4区分した。

 本委員会が取り上げるのが妥当と判断した項目内容は、Ⅲ―1の5項目について、検討・審議することとした。

 このため、5項目について担当別専門検討部会を設けて、調査研究し細部を検討することに決定した。これから本格的な活動が始まり、まちづくりの方向と具体案が見えてきた。


Ⅰ  市が主体となって取り組んだ方がよいと思われるもの
環境保全
② 産業
③ 福祉
Ⅱ  神久呂地区が主体となって取り組んだ方がよいと思われるもの
環境保全
② 交通安全対策の一部
③ 防犯対策の一部
④ 福祉


Ⅲ  神原町が主体となって取り組んだ方がよいと思われるもの
① まちづくり委員会で取り組んだ方がよいと思われるもの 

❶ 多目的広場(公園)の設置
❷ コミュニティづくり  お祭り等諸行事、伝統文化の継承、五十周年史
❸下水道の設置 

❹公会堂の立替
❺ 健康菜園等休耕地等の有効利用


自治会で取り組んだ方がよいと思われるもの   

① コミュニティづくり
② 道路・歩道・側溝等の補修、側溝蓋がけ、通学路安全対策 
③ 生活環境  ごみ集積所、ごみ焼却、消毒散布、産業破棄処理
④ 清掃美化  

環境保全の一部
⑥ 防災  

⑦ 交通安全対策の一部
⑧ 防犯灯  

⑨ 防犯対策の一部
自治会活動      

⑪ まちの宣伝・広報


③ 関係団体で取り組んだ方がよいと思われるもの   

① 婦人会
② その他の団体


④ 神原会館運営委員会で取り組んだ方がよいと思われるもの  

 ① 会館の活用      

② 会館周りの安全対策
③ 勉強会

 

 ❸  将来の神原町発展のために

   当時、自治会長として所感を「会長の一言」として次のように記している。

▲新春を迎えられ、皆様おめでとうございます。まちづくりの意見調査には、町民多数の皆様から町の将来についての熱い思いが寄せられました。積み木のごとく「まちづくりプラン」を作り上げることは大変な事業ですが、町民全員が一致して協力し合えば、きっとすばらしい夢のある内容の将来計画ができるのではないでしょうか。

▲大変な作業だから挑戦するのです。単に井戸端会議の話題に止まり、ささやきあっていたのでは、発展・進歩・向上はなく、今「やらまいか」です。50周年の節目に、40、50台委員の皆さんが積極的に会議に参加して将来の神原町の基盤を築いてくれることを望んでいます。

▲プランの検討は、スタートしたばかりです。町民皆様の知恵を是非結集し、実を結ばせたいものです。ご協力を重ねてお願い申し上げます。であった。

★ 当時の思いは、現在においてもいささかも変わりがない。これから神原町80年、100周年に、次の世代が、新たなる時代に対応して、町民が主体のまちづくりを繰り返しながらよりよい神原町を目指してもらいたいと願っています。

 神原町は、古くて新しい町である。ちょうど50周年の節目は、古いものから新しいものへ移行する時代であった。まちづくりという発想は、理屈では分かっても現状維持の志向が根強く残っていた。一方、新しい住民、若い世代は新しいまちづくりを熱望していた。こうした様々な思いや考え方が交差する狭間でのまちづくりの発想であった。始めてのことであるから当たり前のことである。

 自衛隊で長年にわたって、創造、建設、改善向上を目指したことから、常に前向きな志向を保持してきたが、かなりブレーキをかけながら新旧、保革の世代の調和を保つことに一層留意したものであった。

 したがって、最終案はかなり斬新的かつ前進的なものであったが、実行段階では最良案から一部を除いたりペースを落とすことになったものもあった。これはまちづくりの目的が、町民全員が仲良くすることにあり、その点を配慮することに努めたからであった。

 現在から見れば当たり前のことであっても、当時の古い町と新しい町の移行時代の狭間であったことから生じたことであった。このことはいつの時代においても、まったく新しいこと、新しい発想で物事に対処しよとすると、国家から地域社会、団体に至るまで、俗に言われる「守旧」と「改革」はどこでも繰り返えされていることである。時代の進展とともに新しいまちづくりの発想がさらに生まれて、現在より将来さらに住み良い町になってもらいたいと願っています。

 

神原町自治会ニュース NO15 平成18年(2006年) 1月 5日

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