元自衛官の時想(105) 安倍晋三総理大臣の辞任表明と人の出処進退

 昨日8月28日午後5時から安倍晋三内閣総理大臣の記者会見が行われるとのことであったので、テレビで視聴する予定にしていました。その前に、総理大臣辞任の二ユースが飛び込んできて驚きました。

 安倍総理大臣は、官邸で開いた記者会見で、辞任する意向を表明されまた。持病の潰瘍性大腸炎が悪化したとし、「国民の負託に自信を持ってこたえられる状況でなくなった以上、首相の地位にあり続くべきではないと判断した」と述べられた。 

 第1次安倍内閣との通算で憲政史上最長の在任期間を更新し、平成24年12月の第2次安倍内閣発足からでも7年8ケ月にわたり政権の座にありました。安倍総理大臣の辞意表明は、内外に大きな衝撃を与えました。

 最初に、このニュースを聞いた時、先ず頭に閃いたものは、人の「出処進退」という四文字であった。私個人を含めて、人の世において、これを適切に行えるかどうかは、極めて難しい事柄であるからです。

 今回の安倍総理大臣の辞意表明は、総理大臣の国家国民に対するの職務と責任の遂行を最重視しており、適切でかつ明快でありました。古今東西、責任ある地位にある者の「出処進退潔し」は、在任間の業績共にその人物の真価・評価となるものです。

 安倍総理大臣の辞意表明に至るまでの内なる心の闘いは大変なものがあったと思われますが、的確な状況判断により、優柔不断なく、熟慮の上、果断に決心された様子が伺えます。

 人生とは、出処進退の繰り返しであると考えます。上は内閣総理大臣から国民の一人一人が人生において、あらゆる場面で同様に繰り返しております。したがって、これは実は他人事ではなく、自分自身のことでもあることです。

 長い人生において、誰もがわが身を処するにどうすべきかの事態に直面することがあります。特に、公の地位・職務に従事している時であります。人生一大事のときに出処進退の選択を誤ると、晩節を汚すことになったりします。 

 安倍総理大臣の辞意表明に伴って、「出処進退」について、自分だったらどうするか、どんな選択をするか、考える機会を与えられました。政治、外交軍事、産業経済、教育、医療などあらゆる分野において、職務と責任を有する者が一大事において、どのように身を処するかを提起しているものでもあります。

 最後に、ここでは政治的な事柄を論じるつもりはありませんが、総じて、安倍総理大臣は、在任間やるべきことを多くやられたと高く評価します。辞意表明も適切であったと思います。

 国民の一人として、日本国を背負って立派に責務を果たされた安倍総理大臣に感謝と敬意を表します。一日も早く健康を回復されることをお祈りいたします。

8月28日安倍晋三総理大臣の辞任表明の記者会見  NHKの中継

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