元自衛官の時想(86)  内閣総理大臣の強固な意志と強いリ-ダ-シップの発揮及び実行力

   平成30 (2018)年 9 月20日、自民党総裁選挙で連続3選を勝ち抜いた安倍晋三総裁・内閣総理大臣は、「戦後外交の総決算、憲法改正はいばらの道だ。しかし、総裁選挙を通じて大きな支持をいただいた。これは3年間(2021年9月まで)、強いリ-ダ-シップを発揮し、大改革を断行する大きな力になる。」と語った。

   去る 9月11日、安倍晋三内閣総理大臣は、内閣改造を行い、第4次安倍再改造内閣を発足させた。閣僚19人のうち、小泉進次郎環境相ら初入閣は13人で安倍政権で最多となった。重要閣僚や党要職には次世代を担う「ポスト安倍」を配し、「安定と朝鮮の内閣」で憲法改正社会保障改革など重要課題担う総力で取り組むと表明した。

    軍事組織において、自衛官として、東西冷戦の激動の昭和の時代を過ごした者としては、国家の基本となる国のありよう、憲法の改正、今日の厳しくかつますます悪化する国際情勢への対処、国難とも言える少子高齢化に伴う社会保障制度の改革、さらには国内の山積する諸問題に対処するためには、強力な政治体制、とりわけ内閣総理大臣の強固な意志と強いリーダーシップと実行力が求められる。

    わが国は、三権分立の民主主義国家である。国民から選ばれた国会議員で構成される国会において首班指名された総理大臣が総理する内閣によって行政は運営される。従って、代議制民主主義によって国民から信任された内閣総理大臣である。

   安倍内閣改造に伴うメデイアの論調を見ていると、厳しい内外情勢について時代認識と諸問題への対処の必要性ついての理解はまちまちであることに気づく。さらに対処策となると政党間の格差が目立っものである。現在及び将来の時代認識と対処への覚悟があまりにも甘い、ゆるいといったところを感じる。

    組閣後の野党の党首の所見を拝見してがっかりした。頑張れとエールを送るユーモアと勇気がなく、画一的に貶すだけで、・前向きでなく、生産性が全く感じられなかった。

    野党は、平素から独自性のある具体的政策を磨き、影の担当閣僚を発表して、あらゆる機会を通じて現職閣僚に論戦を挑む勇気と覚悟が必要ではなかろうか。堂々と与党を上回る具体的な政策・対案を示して競ってもらいたい。

    対案のない反対、批判や貶しは少し勉強すれば誰でもできるのではなかろうか。積極的に国家施策の対案を提言して国民に判定を仰ぐ体制のない政党は所詮万年野党の運命となるであろう。単なる反対・批判政党でしかないからである。

   国家の指導者にとって、的確な情勢判断、毅然とした決断力、確固たる揺るぎない所信貫徹、敢然としてやり遂げる実行力、優れた指揮統率は必須要件ではなかろうか。

    国家国民のために頑張れ    第4次安倍再改造内閣内閣にエールを送りたい。