元自衛官の時想(101) 新型コロモウイルス対処とトップの状況判断、決心、実行(5)

 2月29日午後6時から 新型コロモウイルス対処に関する安倍晋三内閣総理大臣記者会見が首相官邸で行われ、テレビ中継で視聴した。

 国難ともいえる「未知の新型コロモウイルスとの戦い」は、極めて厳しいものが予想される。内閣総理大臣が記者会見を通じて、全国民に対して、緊急対処策について説明をし、理解・協力を呼び掛けたことは良かった。

 いつの時代もそうであるが、緊急事態において、いかにトップの的確な状況判断、断固たる決心・決断、全機能を集中発揮する実行が大事であるか知ることが出来る。緊急事態におけるトップの判断力・決断力・実行力こそ最も求められる資質・能力であり、真の実力ではなかろうか。

 すでに、戦いが始まっている最中に、政争などはもってのほかである。今求められるのは批判などではなく有効かつ建設的、実効の挙がる具体的な実行策の提言である。政府を中心に、全政党、全国会議員、政府機関をはじめ自治体、各界と全国民の一致協力が求められている。この戦いに勝利してから実行した対処策の是非を大いに論ずればよい。

 安倍内閣総理大臣は、未知の新型コロモウイルスとの戦いについて、国民に次のように呼び掛けたことが強く心に響いた。

 「今回のウイルスについては、いまだ未知の部分がたくさんあります。よく見えない、よく分からない敵との戦いは容易なものではありません。率直に申し上げて、政府の力だけでこの戦いに勝利を収めることはできません。最終的な終息に向けては、医療機関、ご家庭、企業、自治体をはじめ、1人1人の国民の皆さんのご理解、ご協力が欠かせません。皆さんの暮らしに直結する決断には、当然、さまざまなご意見、ご批判が伴います」
 「内閣総理大臣として、そうした声に真摯に耳を傾けるべきは当然です。しかし、それでもなお内閣総理大臣として国民の命と暮らしを守る、その大きな責任を果たすため、これからも先頭に立ってなすべきことは決断していく。その決意であります」
 「終息への道のりは予断を許しません。険しく、厳しい戦いが続いていく。そのことも覚悟しなければなりません。本当に大変なご苦労を国民の皆さまにはおかけしますが、改めてお一人お一人のご協力を深く深くお願いする次第であります。しかし、私たちは必ず乗り越えることができる。そう確信しています」

 

2月29日安倍晋三内閣総理大臣記者会見

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