わが自治会活動の軌跡(17) 自治会の運営及び役員の業務処理要領の整備、役員会の積極的運営及びわが神原町の成り立ちを探る

 平成17年(2005年)4月、地域の神原町自治会長に就任して以来、毎月5日と20日の2回、「神原町自治会ニュース」を編集発行した。歳月が過ぎるのは早いもので15年が経った。
 わが町に「自治会ニュース」が創設発行されるようになってから、現在に至るも継続されて情報連絡紙として大きな役割を果たしている。
 「神原町自治会ニュース」を通じて、地域社会に生起する諸問題、自治会活動及び運営や地域の話題や町内で黙々と献身的に活躍する人々などを中心に、どのような問題に直面して、どのように対処したかを回顧してみたい。
 自治会・町内会の運営と活動は、時代、地域によって状況は様々であるが、共通するものがあるのではなかろうか。そうした視点からすると現在及び将来において、自治会・町内会の会長、副会長、会計の三役などの役員として活動される方々に参考になる点もあるのではなかろうかと思うものである。時代の進展とともに自分たちの住む町の自治会・町内会は常に新しい課題に直面しながら前進していくものであるからだ。

 

❶ 適正かつ効率的な自治会の運営及び役員業務処理要領の整備

 平成2年(1990年 )4月航空自衛隊を退官し、現在地に終の住処を建設し、地域の住民となりました。順番で回ってくる隣保班長もやり、縁あってか平成9年(1997年 )自治会の部長になることになりました。

 部長になって驚いたことは、自治会規約等はしっかりしたものがあっりましたが、部長や班長の業務処理要領は、自治会として総合的かつ体系的に統一した内容のものが少なく、多くは個人的に作成したメモを主体としたものであり、しかも口頭による申し送りでした。そうした中でも、自分の経験をもとに独自に担当部班内の図面を作ったりしたものもあり、よくできた内容に驚くものもありました。

 部長の場合、担当部区域のことから町内全体のことが分かってきたときには1年の任期が終わってしまうことが通常であるように感じました。

 毎年こうしたことの繰り返しをなんとか打破できないか、もっと効率的で、誰もができるだけ早く部長、班長業務をこなせるにはどうしたら良いか、現状への問題意識と解決策について関心を持つようになりました。

 平成15年(2003年 )、副会長に就任してからは、次の自治会長の就任に備えて自治会運営の現状の把握に努めました。特に、自治会運営及び役員業務については、長い間不文律で積み上げられてきたもの、地域の慣行等を基盤にして、さらに適確かつ効率的に業務ができるようにするにはどうしたらよいかを検討した結果、誰もがわかるような総合的かつ体系化された役員必携集的なものがよいのではないかと考えるに至り、 自治会の運営及び役員の業務処理要領について腹案を作成することにしました。

 平成17年(2005年)4月、自治会長に就任することになりました。部長当時の問題意識から始まった自治会運営及び役員の業務処理要領は、副会長時にまとめていた腹案をもとに、役員会に提議して、就任後の現状と将来を考慮して、逐次、自治会運営及び役員業務処理要領を制定していくことにしました。

 会長、副会長及び会計の三役には全部を網羅したもの、部長用と班長用には当該業務に必要な内容としました。最終的に平成18年4月からは各ファイル冊子として各役員に配付することとしました。

 当時としては、自治会活動も紙とエンピツの時代からワ-プロ・パソコンの時代への移行時期の初期段階であったように思えます。

 従前の紙とエンピツの時代はそれはそれとして良かったわけでありますが、次第に情報化社会へ進展すると共に自治会活動も充実し、複雑かつ多様化、拡大化してきました。

 こうした時代背景の下、先人たちが営々として積み上げたすばらしい自治会活動の個々を文書化し、体系化してまとめることができました。ちょうど時代の要請に応える時期であったように思えます。

 現行の「神原町自治会会員名簿」を拝見すると内容項目に、当時の内容項目が掲載されておりております。町民全戸対象に関係項目内容が入れられており、自治会活動の円滑な運営に寄与しているのではないかと思っております。

 これからは新しい時代です。IT 【 Information Technology 】 情報技術の時代です。自治会運営に参画される皆さんは、新しい発想で時代を切り開いてもらいたいと思います。従前の規約、運営規定及び実施要領などで正すべきは躊躇することなく修正して、内容の充実に努めていただきたいと願っています。

○ 自治会の運営及び役員の業務処理要領  部長用

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○ 自治会の運営及び役員の業務処理要領  班長

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○ 神原町自治会会員名簿」の内容項目

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自治会運営にあたって、自治会役員会(班長会)と定例会(部長以上)の積極的運営

 自治会の役員は、次のとおりでしたが、「代議員制度」は実体がなく、形骸化して有名無実となっていました。代議員の廃止を含めて規約の改正は、次の通常総会で決議し、市長の認可を受けることにしました。

 自治会組織の最少単位は隣保班であり、隣近所が相互協力支援、文書回覧、共同作業などで最も緊密を深める関係にあります。また、町民の要望意見を吸い上げるのに適度の戸数と人員です。班長は大体順番でついており、誰もが自治会活動へ参画する機会があります。

 こうした点から、積極的に班長会を重視して自治会運営にあたりました。班長が各家庭の目線で町内の問題点・改善すべき事項やを積極的に提言していただく班長会にしたいとの思いでありました。自分の班のことだけではなく、広く町内の諸問題に関心を持ってもらうことができたように思いました。

 更には、部長以上の役員会は、「定例会」と称して、毎月5日.20日の2回開催して、文書の回覧伝達、町内の状況、問題点の情報交換等のほか自治会運営に関する執行事項を協議し、適宜適切に対処しました。

 定例会のメンバーは、日常的に頻繁に顔を合わせており、自治会活動の機関車・原動力となっております。会長を核心とした相互の団結、協力によって自治会活動の成果が左右されます。

○ (役員)

 この会に、次の役員を置く。
(1)会長        1人
(2)副会長       1人
(3)会計        1人
(4)部長      各部1人
(5)班長      各班1人 
(6)監事        2人
(7)評議員     各部2人


 こうしたことから班長以上の役員会を「班長会」と称して、在任間、四半期に1回開催して、総会で決定された事項等に関して細部の実施事項を決定し、活動の活発化と内容の充実を図りました。

 ちなみに、自治会第4回役員会(班長会)は、1月29日(日) 次の四つの議題について審議されました。             
1 平成17年度事業実施状況について(報告) 
① まちづくり委員会の活動状況・・・
8月委員の委嘱、9月委員会立ち上げ、まちづくり全町民対象意見調査10、11月意見集約の整理、12月第2回委員会:項目処理区分の仕分け、担当別検討部会の設置及び運営要領の、第3回目から本格的な調査研究に入ります。
②第2ごみ集積所の整備結果・・・
整備内容: 集積所本体、分別かご置き場及び車両乗り入れ場の拡張、花壇部分の整理、消火器等の設置、将来防災倉庫の設置場所の確保
整備経費:農転申請手続き費用、工事費合わせて約49万円
2   平成18年度事業計画(案)
「平成18年度事業計画(案)」省略
3 自治会規約の改正について

神原町自治会規約に関する改正検討案」省略
4 平成18年度市への要望事項の処理について

①各部の要望は、34件で、「平成18年度市への各部の要望の概要と処置案                
4月要望書作成、5月市との打ち合わせ会

 

❸   「神原町の成り立ち ル-ツを探る」の掲載を始めました

 自治会長に就任して、始めたことの一つに神原町の成り立ちを資料収集してまとめることでした。

 私が平成2年に神原町に在住して以来、自分の住む町の歴史や成り立ちを知り得る資料は、郷土史的な「わがまち文化誌ふるさと神久呂」があるのみで、神原町を主体としたものはありませんでした。何とかわが町の歴史を探りたいと、自治会長という立場で歴代の自治会長等の長老を訪れて、在任間の苦労話、当時の手持ち資料の提供や町の誕生前後のお話を拝聴しました。その結果をまとめたものを毎回掲載することにしました。

 個人的な立場であれば、どんなに努力してもできなかったであろうと回顧しています。幸い自治会長という立場で神原町の歩み・歴史をまとめるという目的から積極的に協力をいただきました。ありがとうございました。

 わが町の歴史については、大きな反響を呼び、多くの町民の皆さんから大変喜ばれました。こうして回を重ねて、最後は平成20年10月「わが神原町の歩み」として編纂発行され、全戸に一冊無料配布されました。

 当時の写真と編纂時の写真を入れた内容にしましたが、経費の関係で相当割愛しました。原本や当時収集した資料は、そのままとCDに収録し、自治会の永久保存資料としていただきました。

 当時の長老の大部分の皆様は、すでに鬼籍に入られており、あの当時直接お話を伺ってよかったと思います。今となっては、町の誕生前後の資料や逸話、居住状況などを集めることはできなくなりました。

 いろいろと苦労もありましたが、「わが神原町の歩み」として、歴史の一端を残せたことは大きな誇りとなりました。

 神原町の成り立ち その1 » ル-ツを探る
 ▲ 古くて新しい町   

 △ふるさと創生事業で編さんされた神久呂の文化誌の中で、神原町は「新しい町神原町」のタイトルで「古くてあたらしい町」と表現されています。昭和30年4月1日に神原町が誕生してから50年が過ぎ、100年に向けてスタ-トしました。そこで私たちの町の誕生の経緯や成り立ち、どんな古い歴史を刻んだ町かを探ることにしました。
▲ 神久呂村から四つの町誕生へ  

△昭和30年3月31日、神久呂村(神ケ谷、大久保)は浜松市に合併編入された。同年4月1日、大久保は全域が大久保町となり、神ヶ谷は三つの町に区分され、神ヶ谷町のほか、神原町、西山町が誕生し、現在の四つの町となりました。
▲ 神原町の誕生日はいつか   

神原町の歴史を探るとき、平成4年に編さんされたふるさと創生事業委員会編「わがまち文化誌ふるさと神久呂」と平成14年の神久呂の昔を探る会編「神久呂の地名」等がありますが、わずか50年しか経たないのに、各町の誕生日一つでもふるさと創生編は、昭和30年(1955年)4月1日(本文は30年、略年表は31年)、探る会編は1年後の31年4月1日と記録されています。角川「日本地名辞典・静岡県」の分厚い地名辞典では,4町とも31~現在(付表の浜松市の系統図には、神久呂村は30.3.31→浜松市)とあります。

 

  神原町自治会ニュ-ス  No17   平成18年2月5日

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