わが自治会活動の軌跡(3)  いっせい草刈りでデ-についての声と改善など自治会の役割

  平成17年(2005年)4月、地域の神原町自治会長に就任して以来、3年間、毎月5日と20日の2回、「神原町自治会ニュース」を編集発行した。歳月が過ぎるのは早いもので15年が経った。
 わが町に「自治会ニュース」を創設発行をするようになってから、現在に至るも継続して情報連絡紙として大きな役割を果たしている。
 「神原町自治会ニュース」を通じて、地域社会に生起する諸問題、自治会活動及び運営や地域の話題や町内で黙々と献身的に活躍する人々などを中心に、どのような問題に直面して、どのように対処したかを回顧してみたい。
 時代、地域によって状況は様々であるが、共通するものがあるのではなかろうか。

 いっせい草刈りデ-についての声と改善

    年2回の春と秋のいっせい草刈りは、全戸参加であるから自治会活動の最も大きな行事である。この行事は、町内の生活環境の維持向上に不可欠なものである。また、共同作業により隣保の交流、顔見せの機会ともなっている。

 当日は朝8時から各部各班ごとに集合して、指定の区域を清掃する。神原会館、健康広場等の公共場所は、各班から所定の人員が参加し集団力で草刈り清掃を行う。草刈り機等の機械力も動員するので安全管理も徹底が必要である。

 こうしたことから担当区域の効率的な人員配置及び機械力の配置、汚泥の堆積などを排除する開水路、側溝などの清掃要領、回収車の配置と運用、不参加者、特にマンション居住者の扱いなどさまざまな点について改善向上を図ることにした。 

 昔から連綿として続いた一斉草刈り作業であるが、毎回、前例にとらわれることなく、新しい状況変化に対応した清掃活動が求められた。 

 そのため事前に町内全てを現場確認して実施計画を作成した。事前に実施計画を配付し役員の皆さんの指揮監督のもと作業を進めた。

 作業の先日には全個所の状況を確認し、当日は作業現場を巡回して作業状況を視認した。また、作業終了にあたっては人員機材の異常の有無を確認し、さらに、作業完了後は全個所を巡回点検した。

 役員の皆さんからは、問題点と反省事項、改善意見等を聴取し、次回の実施計画に反映することに努めた。また、デシカメによる記録を採用し、毎回の状況を記録保存することにした。 

 町内における全戸による清掃活動は、年2回であること、動員数から言っても最も大きな行事であるが、安全面を含めて円滑に実施できた。これはひとえに、町民の皆さんが、毎度のことで作業要領を熟知をしていることから自主積極的に行われ、1〜2時間で作業は全部終了することができた。こうしたことは町の伝統的な良風といってよいではなかろうか。現在も整斉と行われている。  素晴らしいことである。

❷ 子どもの目線で見た町内の交通危険個所と地域の交通環境づくり

 地域の自治会長として、子供の通学路の安全に最大の注意を払ってきたが、小学校における通学班の編成及び上級生のリーダーの指名や交通安全教育を積極的に見学した。

 とりわけ、自治会長たちが招かれた、子どもの目線から見た通学路の危険箇所についてのグループディスカッションは大いに役立った。

 子供達の目線から見た通学路の危険箇所を再認識し、最優先で地域の課題として、自治会の市への地域要望の中にしっかりと取り入れて速やかな実現に努めることにした。

 その後、通学歩道の設置、信号機の設置などの要望に際しては、地権者との事前交渉と買収承諾、交通量と危険度等について、長期間にわたる通学、退学時間帯における測定調査と写真撮影など、役員が一体となって行い、最終的には実現にこぎつけることができた。

 何気なく歩く歩道の拡幅一つ、信号機の設置一つにも、その時代の隠れた先人たちの尽力、努力があるものだ。その場所を通るたびにこうした経験からふと立ち止まり当時を回想することがある。

❸ 自治会運営業務と目に見えない献身的な役員の活躍

 わが町は、昭和30年の誕生当時は、約60戸ほどであつたが、50周年を迎える頃になるなと、約380戸に発展してきた。祖父母の時代からの営々として積み上げた苦労の成果が実って、素晴らしい神原町が出来上がってきた。

 新参者として終の住処を建設し、地域に根ざして生活して見ると先人たちの苦労が忍ばれるのであった。とりわけ、縁あって自治会長として地域のリーダーとしてその重責を担い、まちづくりに精進、活動して見ると、やればやるほどその感を強くした。

 自治会役員、特に会長、副会長、会計及び部長の4役の職務と責任、奉仕の活躍の度合いによってまちづくりの様相は変わってくる。役員は、現役で仕事を持ちながら役目を果たしている方など様々である。

 自治会長の立場や役割も、名誉職的で良きにはからえ時代から、先頭に立って全役員を掌握し、計画を立案決定し、具体策を確実に実行する意欲と能力が求められる時代となった。

 選出方法もくじ引きや順番といった時代ではなくなった。言うなれば、組織の代表の顔から自ら計画立案ができて、時には小間使い的な役割を柔軟に使いこなせる人が求められるようになった。

 自治会長の役割と範囲は、地域の状況と自治会の活動状況によって異なってくる。時代とともに業務も増え複雑となってきている。会長がパソコンが使えるかどうかも自治会運営に微妙な影響を与える。

 総じて、自治会長が仕事の片手間に自治会の活動運営を行うことがかなり難しくなってきたように感じられる。これも会長の自治会活動に対する考え方、役員との役割分担、会員等の組織規模等によって左右されてくる。

 いずれにしても自治会役員の献身的な奉仕によって、地域社会の自治組織は運営されている。実際に自治会活動にわが身をおいて経験して、自治会活動の役割、役員の献身的な活動と住民の協力によって、明るく住み良い地域社会がつくられていくのを実感したものである。

 

 神原町自治会ニュース NO 3 平成17年(2005年)6月20日

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