わが自治会活動の軌跡(4) 町民の生活環境に直結した市への要望と「神原町50年の歩み」の編纂基盤づくり

   平成17年(2005年)4月、地域の神原町自治会長に就任して以来、3年間、毎月5日と20日の2回、「神原町自治会ニュース」を編集発行した。歳月が過ぎるのは早いもので15年が経った。
 わが町に「自治会ニュース」が創設発行されるようになってから、現在に至るも継続されて情報連絡紙として大きな役割を果たしている。
 「神原町自治会ニュース」を通じて、地域社会に生起する諸問題、自治会活動及び運営や地域の話題や町内で黙々と献身的に活躍する人々などを中心に、どのような問題に直面して、どのように対処したかを回顧してみたい。
 時代、地域によって状況は様々であるが、共通するものがあるのではなかろうか。
 

* 当時の「まちづくり」については、次の「Y_hamadaのブログ」を参照してください。
2014-01-04
自治会活動(⑴ 神原町まちづくりへの種まき
2014-01-16
自治会活動(2) 神原町まちづくりの基礎固め
2014-01-18
自治会活動(3) 神原町まちづくりの発想
2014-01-20
自治会活動(4) 神原町まちづくり構想への体制固め
2014-01-21
自治会活動(5) 神原町まちづくり委員会の設置・運営・構成等
2014-01-22
自治会活動(6) 神原町初のまちづくりに関する町民の声・アンケート調査
2014-01-24
自治会活動(7) 神原町まちづくりに期待する町民の声、意見の整理・集約
2014-01-25
自治会活動(8) 神原町まちづくり実現の方法と推進力・中核の存在
2014-01-26
自治会活動(9) 神原町まちづくり委員会・テーマ別検討会の活動
2014-01-27
自治会活動(10)  神原町まちづくりに関する事項の経緯及び活動等の成果
2014-01-28
自治会活動(11) 神原町 まちづくり構想の概要
2014-01-29
自治会活動(12) 神原町まちづくり活動の総括

❶ 部・班の改善要望の精査による自治会としての要望と市との調整・合意

 当時私が部長、副会長をした頃は、市への要望は、場所、不具合改善を要する内容等簡単なものであった。提出した事項は市の担当部課で現場を調査確認して採否を決定するやり方のようであった。したがって、市との調整会議では基本的な事項の聴取が行われていた。そこには、お上にすべてお願いするという昔ながらな慣習が残っており、主体的なまちづくりの発想が弱いように感じられた。

 これでは住民の要望を取り次ぐだけで、根本的に改善する必要があると判断した。市役所の業務処理要領に準じた様式を取り入れて、すべて自治会において関係項目に所要事項を記載して、写真を添えた要望書を作成することにした。特に、土木工事を伴うものには、判断材料となる事項を記載することにした。

 市役所の担当者は、驚いていたようであるが、短時間で説明も終わり、採否の決定と採用が困難な理由などの回答も明確となった。

 こうしたことは、自治会業務に事務の機械化、パソコンの活用に左右されるようになった。パソコンが使えない自治会執行部は昔風にメモ書きの提出がしばらく続いていたようである。自治会予算に余裕のあるところは、パソコンによる文書の作成は、事務職員を採用し処理する町もあった。

 生活環境の要望は、こうしたことから、各部、隣保班からの要望も、現場に赴いて調査確認、付近の生の声を聞くなどした後、その必要性を検討し、精査をして具体的な要望書をまとめることにした。市の限られた予算の中でだれもがその必要性と妥当性を認めるものに絞り要望することにした。そのことにより市との合意も円滑に進み達成率と上がってきた。

 また、町民からの要望のほか、自ら散歩を兼ねて昼夜を問わず町内を歩き、改善を要する箇所を取り上げることにした。自治会役員がそろって

 こうした経験から、「市への要望の処理要領」を制定し、その結果は随時、役員会に報告するとともに「神原町自治会ニュース」で町民の皆さんにお知らせした。

❷ 神原町の歩みを探る資料収集・整理と「神原町50年の歩み」編纂の基盤づくり

 自治会長に就任して驚いたことは、平成2年以前の自治会に関する資料はほとんどないことに気がついた。神原町誕生から35年ほどの神原町の歩みとなる諸資料、記録が組織的に保存されていなかったのである。神原会館に保管場所は設けられていたが、本格的に独立した保管庫となるものはなく、それぞれの担当者が引き継いできた資料があるだけであった。それも多くは担当者が自宅に保管ケースに入れて保管してきていた。

 そこで、担当者が使う数年分の資料を除き、自治会で集中管理・保管することにした。婦人会、子供会などの資料も歴史的資料として保管に協力していただいた。

 調べてみると、自治会の活動及び運営に関わる資料は、当時の会長や担当者が手持ちで保管しているものがあることが分かり、「今資料収集し集中管理して残さなければどうなるか」との危機感を持った。このままでいたら散逸し、収集も難しくなる。何としても神原町の歩み、先人たちの活動の記録を探し出し収集しなければならないと固く決意し、町民の皆様に協力をお願いすることにした。

 その背景となったことは、神久呂地区全体の郷土史、歩み記はあるが、神原町の歴史、歩みを対象とした、まとまった記録を編纂したものがなかった。

 平成18年4月に神原町50周年を迎えるに際し、「神原町50年の歩み」を数年かかっても編纂記録することを痛感した。将来、編纂委員会を設けて編纂するにしても、過去のノハウをまとめた各種の「自治会活動及び運営要領」の制定とともに、神原町の歩みに関わる過去のあらゆる資料の収集を決意し、町民の皆さんに協力を要請した。

 古老を訪問し、お話しを聴くと同時に当時の資料や写真類を収集することに努めた。収集したものは、コピーしてパソコンに記録してお返した。

 特に驚いたのは、昭和30年の神原町誕生前後の会合の様子や住民などの名簿など一冊のノ-トに・丹念に記録・保管されており、快く提供いただいたことであった。

 神原町の歩みは、自治会のみならず、各種団体からも協力いただき、「神原町自治会ニュース」に、調査結果の内容を逐次掲載して紹介することにした。多くの町民の皆様から大きな関心が寄せられた。

 そうしたお陰で3年後には「神原町の50年のな歩み」を編纂発行し、全家庭に配布することができた。

 当時、聞き取り調査に協力下さったわが町の長老・まちづくりに尽力された指導者・先覚者の皆様は、その後ご逝去されていった。ありがとうございました。心からご冥福をお祈りいたします。

  神原町自治会ニュース NO 4 平成17年(2005年) 7月 5日

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