わが自治会活動の軌跡(11)  次期自治会役員の選考システムの確立と円滑な運営

   平成17年(2005年)4月、地域の神原町自治会長に就任して以来、毎月5日と20日の2回、「神原町自治会ニュース」を編集発行した。歳月が過ぎるのは早いもので15年が経った。
 わが町に「自治会ニュース」が創設発行されるようになってから、現在に至るも継続されて情報連絡紙として大きな役割を果たしている。
 「神原町自治会ニュース」を通じて、地域社会に生起する諸問題、自治会活動及び運営や地域の話題や町内で黙々と献身的に活躍する人々などを中心に、どのような問題に直面して、どのように対処したかを回顧してみたい。
 自治会・町内会の運営と活動は、時代、地域によって状況は様々であるが、共通するものがあるのではなかろうか。そうした視点からすると現在及び将来において、自治会・町内会の会長、副会長、会計の三役などの役員として活動される方々に参考になる点もあるのではなかろうかと思うものである。時代の進展とともに自分たちの住む町の自治会・町内会は常に新しい課題に直面しながら前進していくものであるからだ。

❶   次年度自治会役員選考要領・選考システムの改善と運用

 次年度自治会役員の選考については、選考委員会が設けられていたが、多くは慣例であったことから、自治会規約によるほか「自治会役員選考要領」を制定し、これに基づき運営することにした。

 どんな選考要領でも長い年月が経つと、形骸化したりするものである。最初は各部から町内の状況を熟知した適任の委員が選ばれていたが、しまいにはくじ引きで選考委員を選ぶようになってきた。まったく町内のことに疎い人が委員になったりで、会長・副会長候補の顔も人柄も知らない選考委員の集まりとなってきた。その中の一人だけが町内の事情に通じているだけであった。

 こうした状況が生じてきたので、次の通り改善を図った。

選考委員制度の確立と選考システムの充実

①選考委員は部長経験者で構成する。任期は2年とし、毎年部長を終わった方が委員になる。

②委員の選定は、会長が発議し2月の役員会で決定、3月総会で承認、4月から選考業務を開始する。

③委員会の任務は、次期会長、副会長、会計の選考及び部長、班長の選出と役員会、総会への選考結果の報告

三役の選考要領 任期・位置づけの明確化 自治会規約によるほか

①会長は、2年務めること。副会長が昇格することを予定し、適任者を選考する。

②副会長は、2年務めること。次期会長に昇格することを予定し、適任者を選考する。

③会計は、2年務めることを予定し、適任者を選考する。

 この改善施策により、部長経験者6名(現在は8名)による選考委員会が構成されることになり、従前の弊害は解消することとなった。選考委員は少なくとも1年間、自治会の運営と活動に参画し、自治会三役の職務と責任、どんな人材が求められるのか、町内に候補となる人材がいるのかなど最新の状況を知る立場にあるからであった。

また、部長及び班長の選出については、従前と同じにした。

 今日に至るもこの制度は継続運用されている。自治会・町内会役員の選考、とりわけ副会長・会長の選考は、時代とともに厳しくなってきたが、どこの町にも適任の人材はいるものである。

自治会長・町内会長は、昔のようにな名誉職・地域の重鎮としてではなく、地域社会のコミュニティの中核となって、すみよいまちづくりの推進役が求められているのではなかろうか。

❷ 自治会長等就任内諾に至るまでの慣行・儀礼

 自治会を問わずどの団体もそうであるが、会長等のなり手がなくて、団体の解散などに至る例が多く生じている。今も昔もその点ではあまり変わりがないようであである。初めて自治会活動に参加して驚いたことは、次期会長の有力な候補のところには、選考委員等が雁首をそろえて、少なくとも3回以上訪問してようやく承諾を得る慣習があった。承諾をいただければよいが、最後には振り出しに戻る事例が多く見られた。

 こうした事例を見てきたので、自分が推挙されて自治会副会長・自治会長への要請に際しては、その場1回で返事をすることにした。当時の地域の慣行・儀礼からすると形式を踏むべきであったようであるが、あえてそうしないことに心を決めていた。

❸ 消防器具収納庫横に発生した大規模空洞と水を側溝に流す改善策

 消防器具収納庫付近に発生した陥没は調査したところ大規模な空洞ができていることが判明した。陥没穴は造成による何らかの地下空間の発生と特定場所への水流しにより長年の間に増大したものと推定された。大量の土を投入して対策処置をした。

 ある日忽然と発生した陥没でまずは立ち入り禁止の表示と綱を張り、鉄板を敷いて落下しないように応急処置をして、土を投入対処した。こうした事柄は長い年月が経つといつしか忘れ去るものである。

 大量の水を流すときは、その場に流すのではなく,側溝等の排水路に流すようにした。今の若い町民の皆さんに、こうした貴重な教訓は伝えられているだろうか。

 

 神原町自治会ニュース NO11  平成17年(2005年) 10月 20日 

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