身辺整理
ある人は「人は死んだらごみになる」と衝撃的な言葉を残して逝ってしまった人がいた。 そこまでは割り切れないのが現在の心境である。
それに比べて、物は黄泉の国へは持つていけないからと割り切る事ができる。
現役時代の財産
転勤の多い割には本をよく買った。
昭和30年陸上自衛隊の短い勤務を経て、航空自衛隊第1期操縦学生として入隊以来、35年間書物を読むのは好きであった。これっという書物があればよく買い、手離さないでいた。
官舎住まいであつたから、大した財産もなければ、お宝もない。あるのは自分本位の多少の書物だけである。
今、書斎はさほど広くはないだけに本の山である。自宅を建設した時はどうしても自分の城とも言える書斎を設ける事にした。床面も特別に厚くした。
特に、軍事に関する書物はできる限り購入したものである。転勤の度に一番重かったのは書籍であつた。
心の糧となった書物
あと2年で80歳を迎える歳になり、家族からは「ごみ」になるから整理しておいてくれといわれることがあるが、未だ割り切れないでいる。
多くの書物は、ある面では、自分の人生の主軸となった防人としての生活・信念・信条の支えと言うか、心の糧、知識や学びのもととなったものだからである。
今はその本を読み返して見たいと思ってもそこまではいかない。どうしても「もったいない」という思いが先に立ってしまうようである。
新聞切り抜きスクラップの整理
そこで書籍はそのままにして、先ずは新聞切り抜き等のスクラップ等を破棄することにした。
何事も潮時があるものだ。身軽になることも大事だとわかっている。
書斎が足場の踏み場もないほどになってきたので、整理できるものから整理することにした。
また、写真アルバムが大量になってしまった。未整理の写真がいっぱいてある。ここ10年来はパソコンに入力しているがとうなることやら。
高齢になれば、やはりそれなりの整理をしていく事を感じる日々である。一方やり始めると、なかなか進まないのが整理である。
「歳を取ること」とはこんなことかと少しずつ分かり納得し、受け止めている。