わが88歳の雑感( 331) 80代最後の年から90代に向けてどのように生きるか

 定年後の生活で、昭和10年(1935年)、この世に生まれてから職業人として国家防衛の任務を全うして自衛隊定年退職・平成2年(1990年)までの恩返しとして、定年後は自主積極的に地域社会において奉仕活動をすることに努めてきた。

 地域の自治会、シニアクラブ、花の会等、自衛隊OB会、同期生会、故郷の県人会などの会長等である。この社会奉仕活動も80代の終わりでほぼ終止符を打つことになった。現在は一会員として参加、必要に応じて顧問、相談役として陰から協力支援をする程度である。

 定年後の社会奉仕は約30年間やるべきことはやったという自負感と満足感で、なんの悔いもない。

 在任間は、全力投球し、誠心誠意その任を果たすことが求められた。そこには名誉欲や地位、職権を利用する利益欲や邪心はなかった。ひたすら組織集団のために尽すことに尽きた。人生最後のご奉公という気持ちであったように思う。

 すべての物事には、終わりというものがある。多くの先人たちの有り様を見て、自分でやるべきことをやり遂げたと判断決断したときは潔くよく、綺麗な引き際が必要であると考えてきた。他人に言われたり、引導を渡されて、嫌々ながら辞めるのではなく、惜しまれながらの爽やかなやめ方が最もよいからである。

 それには、任期途中ではなくて、任期満了による形が一番座りが良い。任期満了であれば、後任者の選考にそれなりの期間を確保できるからである。そのためには、任期満了のある時期に関係者に退任の意思を伝えて所要の準備をさせることが必要である。

 それにしても、身のふりかたほど難しいものはない。人間は各人各様で人生観、世界観、価値観が異なる。他人は他人で真似ることはないと考えてきた。人生後半の終末期において、自分なりの処世観を何とか貫けたことに満足している。

 今年は80代最後の年、来年は90代になる。これからの「最後の人生はできる限り、社会や家族に迷惑をかけずに生きたい」と考えている。

 そのためには、心身ともにそれなりの努力が欠かせない。「明るく、楽しく笑顔で毎日を過ごす」「社会と接点を保ち頭と身体を使う」「すべてに感謝と報恩」を持って、気負わず自然体で自分の処世観を持ち続けたい。それには「歩けること」「寝込まないこと」「完全にボケないこと」「何とか自分で自分のことができること」だ。