令和6年を迎え、元自衛官として、日本を取り巻く激動の世界情勢を洞察するとき、一日でも早くわが国が「自衛隊を憲法に明記」して「普通の国家」になってもらいたいと思う。
国家の平和と独立を守るため、軍隊・国防軍を持つことは、国家の基本であり、世界各国共通の理念である。
国家の骨幹をなす軍隊・国防軍及び国家防衛に対する考え方と信念は、35年余の自衛隊勤務はもとより退官後における元自衛官として、国民の一人として33年間、終始一貫してささかの揺るぎないものである。
時折、ある会合で自衛隊の存在を認める野党の国会議員にお会いすることがある。隊員の処遇に努力しておられるが、小生はいつも、自衛隊の諸問題の根源は、憲法に自衛隊が明記されていないことに起因し、帰結すると強調し申し上げている。
世界の民主主義を基調とする国家においては、軍隊を憲法に明記し、与党野党問わず、外交と軍事に関しては大筋において政策や考えが一致しているものである。憲法明記によって、国軍の存在については、政治と国民にいささかの乖離も疑念もなく、当たり前のこととして認識されている。
自衛隊を憲法に明記することは、「軍隊」「軍人」として律することであり、自衛隊の運用、編成装備、武器弾薬、 施設、教育訓練、募集、人事管理、給与手当、栄典、軍法、名誉退官者の処遇など全てが明快に規定されることになる。一日も早く自衛隊が憲法に明記されることを切望するものである。
いみじくも、本日の産経新聞に織田邦男元空将の所論「憲法に自衛隊明記が必要な理由」が掲載された。全く同感である。また、昨年末の百地章教授の所論「自衛隊明記も取りまとめ急げ」に同感であるので紹介したい。
産経新聞 令和6年(2024年)1月16日 出典
❷ 「自衛隊明記」も取りまとめ急げ
産経新聞 令和5年(2023年)11月23日 出典