元自衛官の随想(158) スーダン邦人避難作戦と軍事組織としての自衛隊の運用について思うこと

 昨日は、スーダンにおける国外脱出を希望する邦人全員の避難が無事に完了した旨の総理大臣表明にほっとした。

 国家の最高指揮官である内閣総理大臣が、迅速かつ的確な状況判断と断固たる決心と実行により邦人の避難作戦は成功したといえるであろう。国家の最大の使命は、国家・国民の生命財産の保護と主権の保持、領土保全にあるからである。

 元自衛官としては、邦人の保護・避難誘導・救出作戦がどのように行われるのかと強い関心を持ってその推移を注目して来た。また、こうした事態における国家のあり方、自衛隊の救出作戦運用のあり方と将来に向けての国家のあるべき方向について見守ってきた。

 本日の新聞テレビなどにおける スーダン邦人の厳しくも困難であった苦労の様子などが詳しく報道されている。国民の感心のあるところであり当然の報道内容である。

 その中で、私が最も関心を持っている事柄は、国際社会における内戦・紛争等の緊急事態における邦人の保護・誘導・救出対処のあり方である。

 先のアフガニスタンで決心の遅れなどの教訓で学んだ如く、今回の避難・救出作戦においても検証すれば、必ず多くの反省と教訓が浮き彫りになるであろう。こうした視点からメディア報道を見ていると、論点・焦点がぼやけて定まらないものが多く見られる。その点、産経新聞、読売新聞などでは、国家のあり方、自衛隊の運用など多くの提言が見られる。

 最終的には、憲法において、緊急事態の発生時にどのように国家・国民を守るかに帰結するものである。軍事組織としての自衛隊の運用と憲法への明記など国会をはじめ、さらなる国民的な議論が進むことを切望するものである。

❶    主張  産経新聞と読売新聞   令和5年4月26日

① 産経新聞

② 読売新聞

❷ 迅速派遣 自衛隊運用の時代に 河野克俊元統合幕僚長

  産経新聞   令和5年4月26日

❸  産経新聞   令和5年4月26日