先人たちは、簡潔明瞭にして含蓄のある、味わい深い、しかもウエットと人情の機微に富んだ諸々の名言、格言、人生訓、心にしみる詩や言葉など人生の道しるべとるものを残している。
今回取り上げた「つもりちがい十ヵ条」もその一つで各所でよく見かける。ネットでは額装したものまで手に入れることができるようだ。
この十ヵ条は、ネットで調べてみたら、長野県飯田市にある元善光寺という寺の住職が書いたものと言われているようだ。
つもりちがい十ヵ条 その4 「浅いつもりで深いのが欲望」
❶ 欲望
広辞苑によると、「欲望」とは「ほしがること。また、欲しいと思う心。不足を感じてそれを満たそうと望む心。
❷ 欲をかかない
欲のない人間はいないであろう。欲・欲望と捉えると、一般的には三大欲望は食欲・性欲・睡眠と言われている。そのほかに、金銭欲、物欲、所有欲、出世欲、名誉欲など挙げることができるであろう。
人間の欲は際限ないが、理性でコントコールしたり、諦めたりしているものだ。
高齢になるにつれて、その欲も次第に減退していくものであるが、人様々ではなかろうか。
よく「欲をかく」と「身分相応」という言葉がある。世の中あまり欲をかくと碌なことはない。自分のおかれた立場・収入面などを見合った生活をしないと、いつしか破綻することになる。身分相応の生活が求められる。
❸ 晩節を汚さず
昨今のメディアを賑わしている日大元理事長の脱税逮捕等々いつの時代も欲の絡む事案は発生している。人間の欲望は際限ないが、ほどほどに抑制しないと晩節を汚すことになる。
高齢者の場合は、年金生活が一般的であるが、自分の収入・年金に見合った生活を堅持すると割り切りと気が楽である。世の中、労せずして大金など突然転がり込むことなどない。儲けの話など乗らない方が良い。魔がさして欲が出ると騙されて生活破綻などおかしなことになってくる。
人間の「浅いつもりで深いのが欲望」まさに至言である。