第19回国民の自衛官顕彰(5) 国民の自衛官横顔「海自航空衛生医務班長 米倉壽朗1等海尉(52)」

     9月7日から第19回国民の自衛官に選ばれた9人1部隊の横顔が産経新聞に随時掲載され.るようになった。

 「国民の自衛官」顕彰に敬意を表し、顕彰事業創設以来、毎回受賞の紹介記事を自衛隊OBの一人として関心を持って拝読している。

 この顕彰事業の特色は、自衛官の顕彰を通じて、国民の前に第一線の部隊等で国家防衛の使命を黙々と遂行している自衛官の姿を浮き彫りにしその実態の一端が紹介されることにあり、大変喜ばしいことである。

 こうしたことから、多くの国民に知ってもらいたいの一念と優れたもったいない記事であるので、逐次紹介したい。

❶ 国民の自衛官横顔「海自航空衛生医務班長 米倉壽朗1等海尉(52)」

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❷ 自衛隊災害派遣の対応 防衛省ホ-ムぺ-ジ 出典

    自衛隊は、自衛隊法に基づいて様々な活動をおこなっており、災害に対する行動としては、大きく「災害派遣」「地震防災派遣」「原子力災害派遣」の3種類を定めています。
 これを基に自衛隊は、自然災害をはじめとする各種災害の発生時に、地方公共団体などと連携・協力し、国内のどの地域においても、被災者や遭難した船舶・航空機の捜索・救助、水防、医療、防疫、給水、人員の輸送といった様々な活動を行っています。

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❸ 所感

①   救難ヘリコプターの機上救護員

 海自の救難ヘリコプターの機上救護員は、機上の看護士であり救命士といえる。機上から降下して被災者を救助する救難員とは異なる。機上に救助した被災者を応急救護する救護員としての役割を果たす。

②   最善の救助法と訓練、実動の積み重ね

 軍事組織は、継続した訓練と総合評価、実動経験の積み重ねにより隊員個人と部隊能力が逐次向上していくのである。

「訓練で泣き、実動で任務を完遂して笑顔」になるということでなかろうか。

 任務遂行に想定外はない。危険な任務であればあるほど、あらゆる事態を想定して訓練をすることが必須である。

 このことにより国民の生命財産はもとより、領土、領空、領海を守り、自らの命を守ることができる。最善の救助法もここから生まれる。

③  自衛隊勤務の集大成・救助法の後継者の育成

 海自の航空救難部隊で25年間にわたって、機上救護員として最悪の状況下で活動した経験から生まれた言葉が随所に綴られており感動する。厳しい状況下の実動で鍛えた救助法は、ツボ押さえた実技であり、後継者の指導に最適である。

 航空衛生医務班長として、自衛隊勤務の集大成の役割を果たされんことを期待する。鍛えに鍛え、実動の場数を踏んだ勇者には、必ず更なる活躍の舞台が回ってくるものである。その場その場で生命の危険を顧みず最善を尽くす。これが自衛官の姿である。