今朝の新聞で警察庁の令和2年中に認知症やその他の疑いで行方不明となって警察に届け出があったのは、前年より多い1万7565人であったと発表された。平成24年の統計以来、毎年、過去最多を更新し、8年で1.83倍になったとのことである。
また、厚生労働省の推計では、団塊世代が75歳以上になる令和7年には、高齢者の5人に1人が認知症になるとされている。
認知症については、いずれ自分もそうなっていくのかなあと微かに思いながら過ごしているが、今までも認知症で行方不明となって家族が必死になって探し回った事例を何件か身近に見聞してきた。
先日ある新聞で、「他人事ではない認知症」で翻訳家の村井理子さんが義理の両親の介護にまつわる出来を綴った手記の一部に触れたが、認知症となった親を子が、あるいは孫が世話をしたり、夫婦が老々介護することは他人には伺い知れない壮絶な闘いがある。
こうした高齢期における認知症は、程度の差はあれ誰もがなり得るものだけに他人事ではない。
シニアクラブで取り組んでいるロコモーシヨントレーニングを中心とした諸活動もフレイル(虚弱)や認知症となるの予防したり、発症を少しでも遅らせたり、期間を短かくしていこうとする活動でもある。
私自身が毎日の生活で積極的に身体を動かしたり、奉仕活動に参加したり、ブログを書いたりと取り組んでいるのも、何とかして自分なりに努力して家族に世話にならない、他人に迷惑をかけないための予防対処の一つでもあるからである。
こうした努力と成果が確実に認知症の予防に結びつくかどうかはわからないが、無駄な努力と方向でないことは確かである。
歳をとると高齢期になればなるほどこの問題に直面することになる。つらい宿命であるが、生きとし生けるものが老化する、枯れていく過程の事象であり、避けて通れないものである。
こうした視点から「高齢人口」の動向について、総務省統計局の資料から探って見た。
まさしく少子高齢化の進度は世界一であリ、総人口に占める割合は、28.7%で過去最高を記録している。今後さらに30%以上に進展するものと推定されている。
後期高齢者の一人として、認知症やフレイルにならないようにするには、自らの毎日の生活どのように律していったらよいか。人生の終末期をどう過ごしたらよいか、どのようなことを目標に努力をしたら効果的かなど各人が設定するのが一番よいのではなかろうか。
1.高齢者の人口 総務省統計局 出典
総人口が減少する中で、高齢者人口は3617万人と過去最多
総人口に占める割合は28.7%と過去最高
我が国の総人口(2020年9月15日現在推計)は、前年に比べ29万人減少している一方、65歳以上の高齢者(以下「高齢者」といいます。)人口は、3617万人と、前年(3587万人)に比べ30万人増加し、過去最多となりました。総人口に占める割合は28.7%と、前年(28.4%)に比べ0.3ポイント上昇し、過去最高となりました。
男女別にみると、男性は1573万人(男性人口の25.7%)、女性は2044万人(女性人口の31.6%)と、女性が男性より471万人多くなっています。
人口性比(女性100人に対する男性の数)をみると、15歳未満では105.0、15~64歳では102.7と男性が多いのに対し、65歳以上では77.0と女性が多くなっています。
年齢階級別にみると、いわゆる「団塊の世代」(1947年~1949年生まれ)を含む70歳以上人口は2791万人(総人口の22.2%)で、前年に比べ、78万人増(0.7ポイント上昇)となりました。また、75歳以上人口は1871万人(同14.9%)で、前年に比べ、24万人増(0.3ポイント上昇)、80歳以上人口は1160万人(同9.2%)で、36万人増(0.3ポイント上昇)となりました。(表1)
総人口に占める高齢者人口の割合の推移をみると、1950年(4.9%)以降一貫して上昇が続いており、1985年に10%、2005年に20%を超え、2019年は28.4%となりました。
国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、この割合は今後も上昇を続け、2025年には30.0%となり、第2次ベビーブーム期(1971年~1974年)に生まれた世代が65歳以上となる2040年には、35.3%になると見込まれています。(図1、表2)
日本の高齢者人口の割合は、世界で最高(201の国・地域中)
2019年の高齢者の総人口に占める割合を比較すると、日本(28.4%)は世界で最も高く、次いでイタリア(23.0%)、ポルトガル(22.4%)、フィンランド(22.1%)などとなっています。(表3、図2)
高齢者の総人口に占める割合の推移をみると、各国とも上昇傾向となっています。
国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、日本は2015年(26.6%)と比べ2065年は38.4%(11.8ポイント上昇)になると見込まれています。
また、国際連合の推計によると、韓国は12.9%から42.1%(29.2ポイント上昇)、中国は9.3%から30.0%(20.7ポイント上昇)と大幅な上昇が見込まれています。(図3)