元自衛官の時想( 127) 新型コロナウイルス対処は両面作戦で戦え

 昨日・5月17日から80歳以上の高齢者に対する新型コロナウイルスワクチン接種が始まった。

 期せずして、政府が東京と大阪に設けるワクチンの大規模接種センターも17日から予約が開始された。自衛隊を投入しての作戦開始である。コロナ対処は目に見えない敵との戦いである。

 国内でワクチン接種が始まってから昨日で3ケ月、ワクチン接種の大戦略がわが国の新型コロナウイルス収束への鍵となるかどうかの正念場、決戦場となるであろう。ぜひ成功してコロナ禍に終止符を打ち、戦勝を勝ち取ってもらいたいものである。

 今や、新型コロナウイルスは第4波来襲と強力な変異ウイルスの拡大に直面している。全世界がコロナウイルスと戦っている。油断大敵、各国ともコロナとの最終の勝敗はまだ決着していない。

 このきびしい局面を乗り切るには、国民一人一人のコロナ感染防止に向き合う一大決意、国民全体に蔓延している「コロナ慣れ」「警戒心の緩み」を打破し、何としてもコロナ禍に終止符を打つという国民意識の再興と国家の全機能を集中してのワクチン接種の短期間の実施の両面作戦の遂行ができるかどうかにかっている。

 これはまさにコロナ危機に対する国民意識を高める大運動の再興・ソフト面とワクチン接種の早期完了・ハード面の両面作戦と言えるであろう。

 とりわけソフト面は、戦後どっぷり浸かった平和ボケから目覚め、国民の危機意識の高揚と自律行動を求める事柄であることから至難であるが、今までと異なり若い世代を中心に感染者が急増している変異種の拡大は若者もターゲットとなっており重症化と死に至ること、これまでは感染しなかった環境での感染が起きていること、深刻な感染が高齢者だけではない現実を皆んなが再認識し感染防止を徹底する国民大運動を起こせば、自立心に富む国民性からして自由気ままな行動を変容することができるのではなかろうか。