山門の人生の教示    「 他人とうまくやっていく能力は自分とうまくやっていく能力と同じです」

  毎月1日と15日の定期的な墓参り、浜松市中央区神ケ谷町の天龍山洞雲寺に詣でた。

 山門の掲示板には、「 他人とうまくやっていく能力は自分とうまくやっていく能力と同じです」とあった。

 最初、この掲示をみたとき、なかなか面白い表現だと感じた。子供の頃、現職時代、今日の高齢期におけるシニアクラブ等の活動で感じる、人間社会・社会活動において最も必要かつ重要な基本事項は、「他人とうまくやる」・「他との協調」ではなかろうかと思う。

 他人との協調・仲良くやること、これができれば、個人との付き合いはもちろんのこと、団体・組織における人間関係や諸活動は円滑かつ円満にいくものである。

 ひとたび、協調性に欠ける人がいると対人関係、団体組織の乱れのもとになり、円滑な活動を阻害する要因となる。

 他人とうまくやっていくためには、他人の悪口を言わない、批判をしないことである。他人を褒めることはあっても貶さないことではなかろうか。また、日常生活では、他人と会ったら「こんにちわ」など挨拶したり、会釈をすることである。

 たとえば、どんな競技をやっていても、良いプレイができた時には、「ナイス」と称賛し、うまくいかないときに「だめだなあ」など余分なことを言わないことである。うまくいかない時に、どこがまずいのか、一番気にしているのは本人であるからである。

 実際のところ、自分の弱点や足らざるところは本人が一番よく自覚し知っているものであり、あえて他人から指摘をされることをよしとしないのは人間の本性ではなかろうか。傷口に塩を塗るような行為は絶対にしてはならない。

 親友・友人と呼べるほどの固い信頼関係があったり、親密な関係でない限り、直接のアドバイスや忠告は気をつけなければならない。

 他人とうまくやっていく能力は、自分の能力そのものであり、弱点や足らざるところを是正する努力は自分との闘いでもある。

 世にいう他との「強調性」は、性格的なものもあるが、本人が気をつければ直せないことはない。努力によって身につけることができるものである。

 山門の人生の教示は、ありがたい教えでもある。

天龍山洞雲寺の山門の掲示 

「 他人とうまくやっていく能力は自分とうまくやっていく能力と同じです」