第49回衆議院総選挙は、11月1日未明に全465議席の当選者が確定した。自由民主党は過半数(223議席)を超えて、議会運営を主導できる絶対安定多数(261議席)に単独で達した。公明党の32議席を合わせ与党で293議席を確保した。
立憲民主党は、公示前の110議席から14議席減の96議席。日本維新の会は公示前の11議席から41議席と大きく躍進し第3党となった。公明党は3議席増、共産党は2議席減で10議席、国民民主党は3議席増の11議席であった。
選挙結果については、政党、学者、メディアなどで様々な分析、検証が行われている。その焦点は、選挙区の候補者を一本化して与党と対決する野党共闘の中核となった立憲民主党と共産党の大惨敗であった。
私は元自衛官の立場から、その敗戦の主因は立憲民主党の大戦略の誤りにあると考える。
今回の総選挙は、自由民主党と公明党の与党と立憲民主党を中心とする野党共闘のいずれを選ぶかの政権選択であった。
櫻井よしこ氏が指摘する如く、「二つの野党の合体は単なる政権交代への道ではなく、自由と民主主義の政治体制か、共産党の影響を強く受ける政治体制か、体制選択選挙そのものであった。」に同感である。
大東亜戦争敗戦後、子供の頃から幾多の総選挙を見聞し、有権者として毎回一票を投じてきた。また、米国を始めるとする先進国の2大政党を学校では学び、わが国も国家の基本体制と外交、軍事等については共通の理念、基盤に立ちその他の政策で競い合う2大政党が確立することを願ってきた。二つの2大政党が、互いに切磋琢磨して、国家国民の繁栄・隆盛を図る政治体制が根付いてもらいたいものである。
今回、国家の基本、かたちについて全く異なる理念を持つ政党が、共闘するとのいかがわしさは国民からNOとの審判を受けた。 国家の基本、国のかたちこそ大戦略である。大戦略に基づく戦術は諸々の政策である。
立憲民主党は、敗因の主因、大戦略の誤りを軌道修正することができるであろうか。立憲の今後の発展の鍵はここにある。
維新の会が躍進した主因は、大戦略が明確であるからである。憲法改正など国家の基本に関わる課題については、自由民主党、公明党及び維新の会が大同団結すれば、今後、戦後の諸課題の解決に向けて新たなる展開が期待できるであろう。
❷ 国会の新勢力 中日新聞 令和3年11月2日