85歳老いる雑感(180) シニアクラブ会長として最後の一年とする最善の努力

 今年度は、懸案であった次期シニアクラブの会長をバトンタッチする体制が組めたことであった。組織の発展維持の骨幹を成すものは組織の長たる会長候補の選定がうまくいくかどうかにかかっている。その路線を敷くことができた。

 多くのシニアクラブの休会・解散・消滅の最大の要因は、後継会長となる者が見つからないことである。側から会長候補としても申し分のない方は多数いるように見えて、実際は皆さんから推挙されても頑として承諾をされない事例が多い。

 地区内のシニアクラブでも、会長が決まらず潰れたクラブを再建するには10年の歳月を経てもまだ見通しがたたない事例がある。

 一度潰れたシニアクラブを再建には献身的に活動の中心となるバイタリティのある人材がいないと困難である。敢えて火中の栗を拾う心意気と相当なエネルギーがないとできない仕事であるからである。それほど難しいということである。

 昔の老人会の会長は地域の名家・有力者などが上座に鎮座して運営することができた。名誉職的存在であった。その活動も主として寄り合い、世間話とおしゃべりを主とするものであった。

 今日のシニアクラブは、フレイル(虚弱)にならないように健康志向を中心とした活動に変容してきた。

 会長は、先頭に立って活動し、代表役から世話係の役目をこなせないと務まらない時代になった。積極的に皆さんのために労を惜しまない、情熱と体力気力、奉仕活動を厭わない方でないと務まらないという現実がある。

 パソコン一つにしても、誰かにやってもらうのではなく、自らこなして処理する意気込みと能力がなければできない時代となってきた。

 歳をとって、いまさらそんな苦労はしたくない。出来だけ関わらずのんびりやりたいことをやった方が良いという風潮もある。

 単位クラブの会長に就任して約10年が過ぎた。就任当初から会長の一番大きな役目は次の会長候補を選定し、4年で退任し、継続した運営と活動を行うことであると考えてきた。

 そのため、副会長には次期会長として自治会長経験者についていただくように努力してきたが、これまた、仕事・健康・家庭の事情などさまざまな事柄から、安定した路線を確保することは容易なことではなく幾多の困難に直面した。何回か、バトンタッチできるかと思ったらダメとなることを経験してきた。

 この10年間のさまざまな紆余曲折を経て、本年度から次期会長・後継体制を確立することができた。自分とっては会長職が最後の一年となるよう最善の努力したいと頑張っている。

 人間、何事もやれる時にやらないと、次にやろうとした時には時期を失しているものである。今月はまもなく満86歳

となる。シニアクラブの代表として活動できたことに感謝している。その根源はやはり健康にあったことである。就任後にがんを発病、皆さんに迷惑をかけたがなんとか乗り切った。ここ数年は、まだ自分の足で歩けそうだ。