85歳老いる雑感( 124) 寒さが身に沁みるようになった

 80代になってから、妻から「寒がり屋になった」と言われるようになった。

自分ではそう思っていないが、言われてみればそうかなぁと言う感じである。

 冬場は、書斎にこもってパソコンに向かうときは、火気を使わないで、上下を防寒着にして作業することにしている。火災予防と安全を考えての対処である。

 歳を重ねるにつれて、寒さが身に沁みるようになったことは確かである。若い時代と違い季節の寒さについては敏感に膚で感じるようになった。人間の身体は、高齢期になるにつれて身体の保温の調節機能が低下することは間違いない。

 4月に入ってから春の陽気に誘われて、春の服装にした途端に寒くなったりで、その日の状況に合わせて一枚上に羽織ることにしている。朝晩も自分の体調に合わせて一枚上着を着たり脱いだりして調節している。

 それにしても、現代の防寒着は薄く軽く優れたものになってきた。冬場は大いに愛用した。昭和の10年代に生まれた者としては、当時を知るだけに隔世の感がある。若い時代はこれらをモノとせず乗り切ったが、今ややせ我慢が効かなくなって来た。「寒さが身に沁みるようになった」ことも老いる雑感の一つであろうか。