元自衛官の時想(105) 家庭菜園の事案対処から見た的確な状況判断、最良の対処策の決断と断固たる実行

   わが家の家庭菜園の主役は家内で、妻の要請によって、夫の私は耕運機を動かすとか、棚を作るとかの作業を分担しています。

 今年は梅雨の長雨で家庭菜園の農作物が腐ったりしてきました。作物に病害虫が発生したからです。前日まで元気であった作物が、バッタバッタと元気をなくしていく様子は、コロナウイルスなどの疫病が発生した様相に似ています。

 わが家の家庭菜園では、特に、ナスが最初に一本枯れ出したら次々と枯れていきました。時期的にまだ大丈夫と見て新しい苗を買ってきて再栽培しましたが、これから収穫となる頃から、同じように病害虫にやられてしまいました。最初は枯れ始めた一本だけを破棄処分し、後は消毒液を散布しましたが効果なく、次々と枯れてきたのです。

 こうした状況に彼女はどう対処するのか、はたから見ていてどのように状況判断、決心するか注目していたら、下した決断は徹底した厳しい対処でした。惜しいからと中途半端にしないで、思い切って全部を破棄・排除し、土壌を消毒し改良する徹底した対処をしたのです。

 一昨日は、彼女が苦土石灰、害虫駆除剤を撒いた後に、私が耕運機で丁寧に耕しました。その後、全域にビニールを張り土壌全体を消毒したことになります。しばらくはそのままにします。

 これは家庭菜園と言う小さな事柄ですが、内容は異なっても日常茶飯事に生起している事柄に対して、どこの家庭でも、職場でも、組織でも行われていることではないでしょうか。

 抜本的対処という言葉がありますが、何事に対しても、状況に対応して部分的な補強対処で良いものと、徹底した完全対処のいずれかを選択することになります。

 状況判断、対処策の決心・決定と実行などの一連のものは、個人や家庭から集団、地域社会、さらには国家に至るまでその基本は同じであります。単純・単層・単相か複雑・複層・複相であるかの違いではないでしょうか。

 昨今の政治・経済・社会全般の各種の事案に対する対処を新聞テレビなどで視聴しながら、自分ならどうするかといつも問いかけています。

 こうした視点で、コメンテーター、論者などの意見や所見を拝聴していると、核心をついたもの、問題の本質から外れたもの、単なる批判など様々で、自分の意見、所見と重ねることにしています。

 市井の一般人としては、状況判断する的確な情報を持っていません。したがって、新聞、テレビ情報と過去の知見と経験から判断することになります。専門的に調査研究したり、十分な情報資料を持ち合わせていないので、各種の状況を比較検討して、自分なりの見方をまとめることになります。

 単なる批判や非難、不満、文句はだれでも容易に言うことができます。これらからは改善向上や建設等につながりません。建設的かつ前向きな対案ないしは提言であれば物事は前に進みます。対処策に反対であれば、どうしたら良いか、対案や提言が行われると受け入れられる面もあります。

 最近の社会情勢における諸事案の中で、状況判断、対処策の決断と実行がいとも簡単に変更になる事案が生じている事は良い傾向と言えないように感じています。

 的確な状況判断と決心、各種の行動方針と最良案の案出と決定、断固たる実行は物事を進める基本であります。

 わが家の家庭菜園の小さな出来事に、妻の状況判断、対処策と実行は、現状からして妥当であると思いました。その根底には、家庭菜園の主役である妻が朝晩継続して一生懸命に作物の世話をしてその状況を最も掌握しているからです。的確な状況判断はそこから始まっています。

 現職時代と同じように、現在の地域におけるシニアクラブの諸活動においても、毎日が状況判断、対処策の決断決心と実行の連続であります。単位クラブにおいては、最も状況を知りうる会長の立場にあるからです。小さな集団組織であっても、状況判断、対処策の選択の決断、実行の最高責任者であり、その職位にあるからです。

 特に求められるものは、実行段階においては断固としてやりぬくことに努めています。

わが家の家庭菜園 土壌改良

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