元自衛官の時想( 153) 故安倍晋三元内閣総理大臣の国葬に際し、弔旗を掲げて静かに弔意を表す

    9月27日、故安倍晋三元総理大臣の国葬が東京九段の日本武道館で行われた。国葬の様子は、テレビ中継で視聴し静かにお見送りした。

 自宅では、玄関に弔旗を掲げ弔意を表した。国旗は、礼式にならい先端の玉を黒布で包み、細長い黒布を付けた。

 自衛隊OBの立場から見ると、トップリーダーである戦後の歴代の総理大臣の中で、最もリーダーシップを発揮し、信念、決断力、指導力及び実行力に優れた方の一人であったと考える。

 国家の骨幹をなすものは、国家国民の平和と安全を守ることである。その基本となるものが安全保障体制であり、国防力である。

 航空自衛官として現職時代及び退官後においても、35年余の防衛の任に就いた経験から、安全保障法制面など欠落している安全保障上の諸問題があることを痛感し、何としても政治的な解決を待望してきたものである。

 安倍晋三元総理大臣は、8年7月の在任間おいて、歴代の総理大臣がなしえなかった安全保障・防衛体制の確立に尽力された功績は絶大である。

 平和安全保障法制では、集団的自衛権の限定行使、特定防衛保護法など世界の普通の国家に一歩も二歩も前進した。

 さらには、自衛官の最高位の統合幕僚長の位置付けと活用、叙位叙勲など自衛官の地位向上と処遇改善を図ったことなどは、鮮明に脳裏に刻まれている。総理大臣として真のリーダシップを発揮されたものに他ならない。

 常に世界の中の日本、国際的な広い視野と先見性を持って、外交面でも戦略的な方向づけをされた。

 今日は、国民の一人として、元自衛官として、元自衛隊最高指揮官としての責務を全うされた安倍晋三内閣総理大臣の御霊に対して、静かに弔意を表し、ご功績を讃え感謝し、ご冥福をお祈りしました。

  故安倍晋三内閣総理大臣国葬にあたり、わが家の玄関に弔旗を掲げて静かに弔意を表す