83歳老いる雑感( 59 ) 80歳代における頻尿と残尿

     毎日の新聞の商業広告でも頻尿を中心としたものを度々見かける。シニアクラブの集まりでも夜中に何回起きたが話題となることがある。車の団体旅行でもトイレが心配だとの声が聞こえてくる。高齢になるとトイレの心配の最たるものは、尿意を催したら我慢ができなくてトイレに行きたくてもいけない心配が増幅することである。歳をとればとるほど肉体的にも老化が進み機能及び能力低下、劣化するのは抑えようがない。一時的に薬剤等で抑えたとしてもその流れを変えることはできないのではなかろうか。

   高齢期の機能低下や 頻尿の医学的なメカニズムはさておいて、高齢になればなるほど多くの方がトイレが近くなる。これらを抑える手段として水分の摂取を抑える傾向があるように見受ける。

 私はがんで腎臓を一つ取ってしまったことから、むしろ残った腎臓の機能が正常に機能するように、できる限り水分を多くとるように努めている。したがって、トイレに行く回数が多くなるのは腎臓が正常に機能してる証と受け止めている。むしろトイレに行く回数が少なくなったら危険信号と受け止めているせいか、夜間も睡眠がどうのといったことなど、特に気にしないで過ごすことにしている。

 高齢とともに放尿の勢いが衰え、量が少なくなり、回数が増え、時間が長くなるのは致し方ないものだ。急いだりしてしっかり出し切らないと残尿が自然に漏れて出てくることがある。青年期には考えられなかった事柄である。そのためには、高齢期の肉体の機能低下は当然として、トイレに行ってもゆっくりと時間をかけて放尿することが必要となってくる。急がす残尿がないようにしっかりと出し切ることに尽きる。

 高齢者の平均寿命が延びて、100歳時代がやってくると言われるが、どんなに医学の進歩が進展しても、高齢期においては、歳を重ねるにつれて心身の機能低下は自然の摂理ではなかろうか。当然として受け止めると意外に気にならないで、明るい毎日が過ごせるものである。

    このことで、あまり神経質にならないこと、歳を重ねるにつれて、身体的な衰えを当然のこととして受け止めること、騒がす、あわてずではなかろうか。