がんとの闘い(22)入院間感じたこと

11月8日

 

スポンジが患者を助け福ノ神

 手術した直後は、尿管・点滴・酸素呼吸器・脈拍・両足の血行促進器等「お友達がいっぱい付いて」、身体を左右に動かすことは出来るが、ベッドから離れることができない時間がある。

 手術内容や個人の回復度にもよるであろうが、ある一定の時間身動きできないときがある。ベッドに横たわった時、体重があるとそれだけ負荷がかかるので身体全体や腰部が痛くなってくるものだ。

 予防処置としては、こまめに身体を左右交互に傾けたり、腰を浮かしたり、足を曲げたりするとかなり防げるものである。良くしたものでその環境に身を置くと理屈より実行で、自分なりの工夫が始まる。

 それを助ける補助具として最初から担当の看護師さんが、「三角形のスポンジ」を腰に当ててくれた。自動車が動かないようにする歯止めのようなものだ。

 上手く考えたもので、このスポンジは数日間利用させてもらった。非常に有効であったと思う。この用具は軽いが一定の固さがあり、単純明快のアイディアだと思った。こうした商品はドンドン出てくると意外に役立つのではなかろうか。

 お陰で腰痛もなく、無事退院することができた。

 「スポンジが患者を助け福ノ神」

 

誤認(人)防止

 患者の誤認(人)防止のため「氏名・フルネ-ム」や「生年月日」を本人から申告させて確認することはどの医療機関でも当たり前になってきた。医療においては「人の命にかかわる」ことだけに、顔見知りであっても、同じことを何回やっても省略することなく忠実に実行することが大事である。

 入院間、点滴の交換、食事等どんな場面でも確実に行われていたことに安心感を持った。現場の看護にあたる皆さんのご苦労を見続けてきただけに「誤認(人)防止」と「患者の命を守る」ことの重要性を再認識したものである。

 子どもの頃、汽車の出発・到着のとき駅長さんが必ず手で指し,呼称して確認する動作を見て感動したことがある。国鉄時代からJRに至る今日、指呼動作は「安全の象徴」であった。

 昭和30年航空自衛隊に入隊し、初級操縦課程の飛行訓練にあたって、パイロットの飛行前・飛行後の機体点検において、目視点検等と同時に指をさして呼称することを徹底して教え込まれたことがあった。整備等も同じであった。

 医療機関における氏名・生年月日の申告・確認には患者の協力が必要であるが、医療に携わる人たち一人ひとりが絶対やらなくてはならないことは必ず実行するという固い決意が患者の命の安全に繫がっていくものだ。

 氏名の申告・確認にあたって、患者の理解協力が必要であるが、粘り強く実行することは、医療機関として「患者の命を守る責務」であると強く思った。

 

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《 病院内の掲示 》