元自衛官の時想(14)  自衛隊の憲法への明文化

1.安倍晋三総理大臣の憲法第9條改正の提起

 昨今、安倍晋三総理大臣が、自衛隊の存在を明記した憲法第9條改正とその平成32年施行につていての意向を表明したことが大きな波紋を呼んでいる。総理大臣に就任されて以来、正直なところやるべき時にやる総理大臣であると拝察し期待していた。

 これについて私の感想は、よくぞ明言されたとの印象である。多くの自衛隊OBはもとより現職の自衛官が待ちに待ち望んだ表明であるからだ。

 世界を見渡して、憲法に国軍の存在を明記していない国は少ないであろう。国民から支持を得ている自衛隊が、自衛隊法に定められた任務を遂行し国民の負託にこたえるにあたって、最も大きな問題点は、最高法規である憲法が、自衛隊の存在を明記しておらず、根無し草状態にしていることである。国家防衛の基本となる自衛隊憲法の中に明確に位置付けることは必要不可欠であり、当然の提起であるといえる。 

2.トップに求められる判断力・決断力・実行力

    私は、どんな組織においてもトップとなる指導者にとって最も必須の資質・能力は、総合的・大局的な見地から状況を迅速・的確に明察し、進むべき方向を決断し、決心したら必ずやり遂げることであると思っている。これを判断力・決断力・実行力といってよいであろうか。

 35年余の自衛隊勤務、12年余の自算会勤務、その後現在に至るまでの隊友会、自治会等各種の地域活動と人生80年余の社会的な経験等からの持論である。

 大局を見据えて、将来の推移を洞察し、的確に状況を判断する。今後進むべき方向を明示すべき時には、毅然として躊躇する事なく決断・決心した結果を明示する。一旦英知を集結して決定したことは必ずやり遂げる。

    この三つを兼ね備えた者が、トップに着いた時は組織は充実発展するものだ。特に、国家の指導者に求められるものであろう。

    三つのうちどれか一つ欠けたり、弱かったりする、バランスが崩れると、大きな仕事、目標、さらには、任務を達成することができないといって過言ではない。

3.安倍総理大臣のメッセ-ジの要旨  

 各紙ともいろいろな立場で取り上げていたが、わかりやすい産経のメッセ-ジ要旨記事をきり抜いてみた。

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《 平成29年5月 4日  産経新聞 》