1.一緒に仕事をした仲間
自衛隊勤務では、いつの時代も良き上司、同僚及び部下と一緒に仕事をすることができた。幕僚勤務は少人数で仕事をするので、お互いの資質能力・性格等すべてが分かってくる。どんなに厳しい困難な状況下におかれても相互が信頼と敬愛があれば前に進むことができた。そこには階級・職位ではなく人間と人間との緊密な関係であったように思う。
昭和45年5月から47年3月まで、約1年10月にわたって勤務した中警団基地業務群本部人事班、ここでも終生忘れ難い人との出会いがあった。本当に一緒に仕事をした仲間であった。今はただ感謝の一語に尽きる。
❶ 人事係小玉勝人准尉
人事生え抜きのまさに人事マンが小玉勝人准尉であった。人事業務が経験豊富で皆から愛されとても明るい先任であった。人事係として、持てる実力を大いに発揮してもらうよう人事基礎デ-タの整理・集約業務に専念してもらった。空曹時代の幅広い人脈による情報と記録にない経緯などを承知しており、私の片腕として活躍してくれた方で敬愛する先任であった。
人事幹部と人事空曹等との関係は上下の関係であるが、お互いの優れた点を組み合わせると良い成果に繋がっていくものだ。若い経験の浅い幹部は、慣れるまでは階級を楯にベテランの空曹等を指揮下に置こうとすることがあるが、両者は競合・競争関係ではなく役割がまったく異なるものだ。少人数で有機的な活動をするチ-ムであった。
どの職域でも同じで、要撃管制でも優秀な警戒管制員がそばにいてアンウンの呼吸で適時適切に補佐してくれたものだ。優秀な空曹をどのように位置付けて活躍してもらうか、どんな形で実力を十二分に発揮してもらうかに意を注ぎつつ自らの実力の養成に努めた時代であった。准尉制度の発足に当たりいち早く准尉に昇進されたように記憶している。
個人的にも釣りの先生格で教えてもらった。忘れ難いお世話になった方であった。
《 随分助けていただいた敬愛する小玉勝人准尉、写真では准尉制度ができた当時のころのものと思われる。》
❷ 訓練係山本秀雄1曹
山本秀雄1曹は、飛び抜けて身体強健で粘り強く、温和な紳士の空曹であった。訓練係として個人訓練関係の充実に著しい成果を挙げた。射撃訓練、教練などで大活躍をした。当時、検閲等の受験準備で一緒に汗を流した思い出がある。
その後、幹部への道を進み、持てる資質能力を発揮し教育幹部となって、部隊の訓練の充実、後輩の教育などに貢献した方である。退官後も弓道など地域の社会教育の分野で活躍されている。
《 山本1曹、教育幹部となって空自の教育訓練分野で活躍された。》
❸ 仲川末雄事務官
中川末雄事務官は、佐渡の第46警戒群本部総務人事担当から基地業務群人事班へ配置になった。当初事務官等人事管理から始めたが短期間で優れた資質能力を発揮し頭角を現し幅広い業務を担当してもらった。
業務処理は迅速的確で対人関係に優れていた。その後、人事幹部課程、上級事務官等課程を経て、内部部局の部員となり、地方連絡部長等に栄進された。
若い時代の関係はいつの時代もお互いに忘れ難き ものがあり、退官まで交流が続いた。
《 左から上原惠次基地業務群司令、中村企画班先任、私と仲川末雄事務官 》
《 わが班のキ-マンであった人事係小玉勝人准尉と訓練係山本秀雄1曹 》
《 基地業務群本部の宴会風景、中川末雄事務官と向き合って話が弾んだ。 》