状況の人になれ
自衛隊勤務当時、「状況下に入れ」という用語をよく使ったものである。
訓練演習、通常の勤務をとわず、「状況」「状況下」「状況外」という言葉が日常的に使われている。
「状況の人になる」ことは、全般状況を熟知し、あらゆる事態にも的確に対処出来ることである。
自衛隊の任務遂行は、生死を伴うものであり、状況下に入りきれるかどうかは自己の生命がかかっているから命がけである。
入院に伴い「状況外の人」
現在、入院中は病気治療に専念している。自衛隊用語で言うならば、病院以外のことは、「状況外」におかれている。
自衛隊では、訓練・演習の想定において、止むをえず特定の人・物・区域等を徐外することがある。
今の私は、まさに「状況外の人」そのものである。
日常の煩わしさから解放され、外界から一時遮断され治療に専念出来る恵まれた状況下にある。
有難いことである。
台風27号、28号の動向はテレビで観て承知していたが、病室の窓は密閉され、騒音も遮断され、窓際で風の強さや降雨の程度を知るのみであった。
昔から五感とはよく言ったもので、
外の景色を見て、空気を吸い、風の音を聞き、暑さ寒さを肌に感じ、手で触れて状況の人になれるものである。
「状況外の人」になって,初めてその事がよく分かった。
また、病院という環境がいかに恵まれたものであるかを再確認することができた。
病院内の「状況下に入る」
見方を変えて状況を考えると、入院すれば「病院内の状況下に入る」のは当たり前のことある。
病院の規律、医療の方針、雰囲気を知り,早く同化・溶け込む事が大切だ。病院の人になりきることである。患者になりきることだ。
入院中は、病院外のことには「状況外の人」であってよいが、病院内の事はしっかりと「状況下に入る」ことが求められている。
今日は天気晴朗、準備よし。