元自衛官の時想(162) 12月8日「大東亜戦争」開戦の日に寄せて

 12月8日、今日は82年前の昭和16年(1941年)12月8日、日本海軍は米国のハワイ,オアフ島真珠湾攻撃日本陸軍マレー半島に奇襲上陸し,米英などに宣戦布告した「大東亜戦争」開戦の日である。

 開戦に至る経緯や,歴史的背景は省略して,35年余の自衛隊勤務を通じて、「大東亜戦争史」を在隊間関心をもって学んだものとしては感慨深いものがある。

 今朝の産経新聞には、乾正人氏が「真珠湾攻撃の日に考える」の一文を寄せておられた。内容は省略するが論旨に同感である。

 昭和20年8月15日の日本敗戦により占領軍となった連合軍総司令部(GHQ)の徹底した占領政策による教育,メディアを通じて植え付けた「日本だけが悪かった」という,俗にいう「GHQ史観」の見方は根強いものがあり,今なお抜け出せないでいる現状がある。

 ものごとや歴史は単純ではない。因果関係や背景など複雑なものがあるものだ。

 なぜ日米は戦わなければならなかったのか,なぜマレー半島に上陸したのか、なぜ中国と戦うことになったのか、時の内閣から正式決定し発した「大東亜戦争」の用語が使われなくて,なぜ「太平洋戦争」が多用されるようになったのか、

 日本のどこが悪かったのか,良かった点はどこなのか,政治・軍事・産業経済・教育文化,諸制度・社会活動など歴史から学ぶ必要があるのではなかろうか。

 大東亜戦争開戦日や敗戦日は、過去の歴史に学び,わが国はどう進むべきか真剣に考えて,主体的,総合的に物事を考え判断,対処する日にすべきではなかろうかと考える。

下呂温泉望川館庭園にて筆者 令和5年12月8日早朝撮影