浜ちゃん日記  祝日天皇誕生日のご会見全文記事に寄せて

 天皇陛下は、2月23日、62歳の誕生日を迎えられた。わが家の玄関の軒先に国旗を掲げ祝意を表した。

 今朝の新聞は、「天皇陛下誕生日ご会見」記事が掲載された。記事は全文、要旨と各紙さまさまであるが、産経新聞は一面全部を使い全文を掲載したのには驚いた。

 国民の多くが、皇室のありようについて強い関心を寄せているときだけに、全文掲載は素晴らしい対応であった。要約では、新聞社と記者の立場で省略されるものがあり、全文を拝読して。お考えを拝察することができました。そのうえで、宮内庁ホームベ―ジで全文を再確認した。こうした報道は、全文掲載が必要であるように思った。

 全文の中で特に私が注目したのは、次の二点であった。

 宮内庁ホームベ―ジ出典

❶ 皇室の在り方や活動の基本

 「昨年も述べたとおり,皇室の在り方や活動の基本は,国民の幸せを常に願って,国民と苦楽を共にすることだと思います。そして,時代の移り変わりや社会の変化に応じて,状況に対応した務めを果たしていくことが大切であると思います。皇室を構成する一人一人が,このような役割と真摯に向き合い,国民の幸せを願いながら一つ一つの務めを果たし,国民と心の交流を重ねていく中で,国民と皇室との信頼関係が築かれていくものと考えております。同時に,皇室に関する情報をきちんと伝えていくことも大事なことと考えています。」

❷ 歴代天皇天皇の務め

 「私は、過去に天皇の書き残された平成28年に愛知県の西尾市を訪問した折に岩瀬文庫で拝見した戦国時代の後奈良天皇宸翰般若心経しんかんはんにゃしんぎょうは,洪水など天候不順による飢きんや疫病の流行で苦しむ人々の姿に心を痛められた天皇自らが写経され,諸国の神社や寺に奉納されたものの一つでした。その後,京都の醍醐寺では,後奈良天皇の般若心経を拝見し,奥書に「私は民の父母として,徳を行き渡らせることができず心を痛めている」旨の天皇の思いが記されていました。さらに大覚寺でも,嵯峨天皇のものと伝えられる般若心経や,後光厳天皇後花園天皇後奈良天皇正親町天皇光格天皇が自ら写経された般若心経を拝見しました。このように歴代の天皇は,人々と社会を案じつつ,国の平和と国民の安寧のために祈るお気持ちを常にお持ちであったことを改めて実感しました。また,武ではなく文である学問を大切にされてきたことも,天皇の歴史を考えるときに大切なことだと思います。例えば,鎌倉時代花園天皇が皇太子量仁かずひと親王に宛てて書き残された,いわゆる「誡太子書かいたいしのしょ」においては,まず徳を積むことの大切さを説かれ,そのためには道義や礼儀も含めた意味での学問をしなければならないと説いておられます。このような歴代の天皇の思いに,深く心を動かされました。私は,過去に天皇の書き残された宸翰などから得られる教えを,天皇としての責務を果たしていく上での道しるべの一つとして大切にしたいと考えています。そして,その思いと共に皇位を受け継いでこられた,歴代の天皇のなさりようを心にとどめ,研さんを積みつつ,国民を思い,国民に寄り添いながら,象徴としての務めを果たすべく,なお一層努めてまいりたいと思っています。」

産経新聞  令和4年2月23日 天皇陛下誕生日ご会見全文

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