85歳老いる雑感(98) 終末期における身辺整理とパソコンのデータ破棄

 ある日、資源ゴミ集積所に大量の書籍が出されておりました。亡くなられた方のもので、故人にとっては大事に大事にしてきた貴重な書物であったと思われました。故人が逝ってから、わずか1週間も経っていないだけに、残された家族にとってはまさにゴミそのものと化したのだと感じました。

 日頃から家人は、お父さんの大量の書物や資料は、逝ってしまつたらありがためいわくのゴミでしかないから、ちゃんと整理して欲しいと言っています。

 大きな資源ゴミ回収容器の中に捨てられた書籍の実態を見て、これが残された家族にとって逸わざる実相であることを強く認識しました。85歳をとなった今日、自らの判断決心で、徹底して整理をしなければならないと心を新たにしました。

 最近の懸案事項は、パソコンのデータの整理です。長年のパソコン処理から大量のデータを外付のハードディスクに保管しています。便利な時代となり診断アプリでデータの状況が分かります。過去数々の失敗でデータを消失した経験から、この頃はバックアップを二重にして保管することにしてきました。

 こうしたことも、いよいよ整理の時期になってきたことを自覚しています。保存より切り捨てることにしました。過去の大量の資料や画像との惜別の思いが強いため、思い切った切り捨てることができないでいましたが、85歳の今日、頃合いかと思うようになりました。

 人生の終末期における身辺整理は、言う易く行いは難しそのものです。