83歳老いる雑感( 46)  自力で「まだやれる」「「やろう」とあきらめの分岐点

 歳・年を重ねるということは、当たり前のことでありながら実に大変なことでもある。いつの間にやら80歳代になってしまったが、親兄姉や年上の方も見てきて感じていることは、人間「この辺でいいか」」と思った時が、大きな分岐点であることを知る。

 歩くことがつらいので、家にじっとしだしたとき、趣味の世界で今まで出かけていたのに、出掛けなくなったとき、日常生活でいままでやっていたことを突然止めたときなどである。要するに張り詰めた気持ちが萎えて、今までの固い意志がなくなったときが、下り坂の転機点であるように思う。

 体力が続かない、身体が動かないところから、どんなにか強かった意志も自然に消え失せてすべてが弱気になっていくと、その後は転がり落ちるように見る見るうちに心身ともに弱っていく姿を多く見てきた。人間にとって、「生きよう」、「まだやれる」、「やろう」という自らの意思が自分の生きざまを左右していることを知るのである。

 これが人間の自然な姿ではなかろうか。その時がいつ来るかである。誰しも鉄人のようにはいかないものだ。