元自衛官の時想(17) 航空自衛隊連合幹部会機関誌「翼」の購読

   平成2年4月、35年余勤務した航空自衛隊を退官して以来、  航空自衛隊連合幹部会機関誌「翼」は今日まで引き続き購読(非売品)している。在職中は当然であったが、退官して27年になるも継続愛読しているのはどこからくるのであろうか。

❶  指揮統率を極める

 現職時代、特に注目した記事は、指揮官及び幕僚として必須な指揮統率の根源、指揮管理の在り方などを中心とする各分野のその道の第一人者、著名人との対談内容であった。現職時代を振り返ってみると、幹部自衛官として指揮統率を極めたいとの思いが強く、毎日が修練の毎日であったように思う。

 今は全くの第三者として客観的に拝読し、なるほどとうなずきながら賛意するものがある。また、現職時代の指揮統率について振り返ることがある。

❷  時代と動向を知る

  新聞や雑誌は常に時代を反映したものである。どんな内容でもその時代の潮流を探ることができるが、専門誌でないと掴めないことがある。その点、航空自衛隊の翼を通じて今の時代と動向を知ることができる。

  航空自衛隊も昭和の時代と今日とでは内外情勢をはじめ大きく動いている。軍事の世界に籍を置いたものにしか分からない分野のことがあるものだ。航空自衛隊連合幹部会という親睦団体の機関誌とはいえ、記事の端々に航空自衛隊の時代の推移と動向を知ることができるからである。

❸ 乗り越え未来へ進む

  昭和の時代の航空自衛隊は、創造・建設と改善の時代であった。時代とともに充実発展するのは当然なことだ。今の時代は国内外の情勢の変化もあり、自衛隊に対する国民の理解と期待が一層大きなものとなってきた。

 航空自衛隊は、営々として築かれた蓄積・基盤を土台に今日より明日と発展してもらいたいと願っている。当時の組織と先人を乗り越える組織と人であってもらいたいと思っている。

 国家・国民を守る自衛隊の使命を達成するための努力は、一日として止まることはない。どのように乗り越えていこうとしているのか、そのありようを翼の記事内容を通じて知ると嬉しいものである。自分たちができなかったことをやり遂げているときは一層嬉しいものである。

  防人の思いを共有する

  古巣の航空自衛隊おける防人の使命感や心情には、昭和から平成と推移し、どんなに時代が移り変わっても、自分の人生の骨幹となった時代と共通するものがある。翼の体験記などの記事の端々に同じ思いを、当時と今も変わらないものがあることを知り、共感を呼ぶ内容に出会うことがある。

 任務遂行に対する隊員の使命感や心情は、昭和の時代と今と同じようなものではなかろうか。

  航空自衛隊幹部会と機関紙「翼」のますますの発展を祈念する。

 

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《 平成29年7月発行の  航空自衛隊幹部会機関紙「翼」の表紙 》