航空自衛隊第1期操縦学生(31) 最後となった記念大会・総会・感謝記念品贈呈

1.最後となった第1期生会総会

  ❶   毎年入隊記念日6月2日に開催した同期生会

 毎年、第1期操縦学生入隊記念日に「操縦学生第1期生会」を開いてきた。本年も例年通り、6月2日・昭和30年の60年前と同じ日に「第1期操縦学生入隊60周年記念大会」が開かれ、最後の第1期生会の総会が浜名湖ロイヤルホテル2階会議場で行われた。

 ❷ 最後の記念すべき「操縦学生第1期生会」同期会

 今回の「第1期操縦学生入隊60周年記念大会」は、第1期操縦学生にとって、6月2日に入隊60周年を迎えた。近年、先立つ同期生を見送る中、はや80歳・傘寿となる。1期生会も将来を見通して、ある程度元気が残っているうちにけじめをつけるべく、今回の大会をもって全国規模の活動は終結し、地区ごとの活動に移行することを選択し決定したものである。従って、「操縦学生第1期会としての最後の記念すべき総会・同期生会」であり、最後の総会となった。 

❸ 「操縦学生第1期生会」の歩みと今後

 顧みると、昭和46年6月12日東京市ヶ谷会館において初めて第1期生の同期会が開かれた。以後、毎年同期会を開き、昭和50年9月に会則が制定され、正式に「操縦学生第1期生会」が発足した。以来40年の歴史を持つ「操縦学生第1期生会」最後の総会となったのである。今後における地区別の 活動、同期生会等はその都度の対応となるであろうと思われる。

   このような選択と決断は非常につらいことではあるが、4年前に将来の第1期生会のあり方について提起し、毎年検討を続けてきた結果、ある程度元気なうちにけじめをつけようとの全員の総意に基づくものであった。きっと、この選択と決断はよかったと思われる日がやってくるに違いない。どんな同期生会でも組織構成員が高齢になれば、いつか必ず直面する課題であるからである。

 自衛隊における同期生会の最終のあり方の一つの指標になるかもしれない。

 

2.逝ってしまった同期生52柱へ黙祷を捧げる      

❶ 若くして大空に散った殉職者等を偲ぶ

 航空自衛隊に第1期操縦学生として入隊以来、この60年の間に、同期の物故者は、昭和33年3月の故鶴井平君の殉職から本年4月の恩田守君の旅立ちで52柱となった。それぞれがいろいろな人生を歩んできた。浜名湖畔に参集して一堂に会し、同期として一緒に切磋琢磨して青春時代を過ごした日々等を思い浮かべながら 静かに故人を偲び黙とうした。

 生きている者に去来するものはなにか

 若い時代と違い、人生の終末をどう迎えたらよいかと脳裏を浮かぶ年代になって、去来するものは、誰もが「これからの残された人生を有意義に過ごしたい」の思いではなかったではなかろうか。

 今回多くの同期生が参加した。いろいろな身体状況など厳しい状況におかれながらも万難を排して参加した同期の胸中には、きっとこの大会は同期全員が揃う最後の全国的な同期会であるとの思いが強かったように思われる。

❸ 今や80歳・傘寿を迎え・迎える1期生の現状

 第1期操縦学生殉職者等は次のとおりである。第1期操縦学生は昭和30年6月2日大空にあこがれ大きな夢を持って入隊してから操縦学生課程を10か月間学び187名が卒業した。

 その後、60年間に連絡が取れなくなった者25名を除き、物故者52名、現在員110名の内、今回大会参加者58名、不参加者52名であった。

 こうしてみると、おおむね全体の約三分の一づつが、この世を旅立ち、今回の大会に参加し、残念ながら参加できなかったことになる。

 創設期の航空自衛隊にあって、大望を抱きながら厳しい教育訓練を乗り越えた第1期生は、殉職者も、物故者も、生きている者も、それぞれが、自衛官として、社会人として、職業人として、父親として、厳しい道のりの人生を歩み、立派に己の役目を果したのだ。

 今や80歳・傘寿を迎え・迎える。これからの人生はさらに厳しいものがあろう。

第1期操縦学生として雄々しく最後まで誇りを持って人生を全うしたいものである。

 

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3.総会と会計報告及び処理

 総会は、大会実行委員長濵田喜己君の司会で、物故者に対する黙祷から始まり、会長小林誠君の挨拶、会計幹事馬場雍君の会計報告が行われ、実行委員会で引き継いだ残余の会計処理については、実行委員会に一任することが決定された。

 第1期生会の会計は本大会をもってすべて清算することとなった。第1期生会として同期生の死去に際しては香典などをお供えしてきたがこれらすべて終結することとなった。以後は、各個人、有志としての行動に移行した。

 

4.感謝記念品の贈呈

 第1期生会会長小林誠君から、操縦学生第1期生会の運営に永年尽力した山田繁君、馬場雍君、故髙橋洋君及び濵田喜己君の4人に対して感謝の記念品が贈呈された。

 故髙橋洋君に対しては、本部役員の山田繁・馬場雍両君が髙橋宅を訪問し、仏前に詣でて感謝の報告をした。ご夫人は涙ぐんで受け取られ、洋君の思いで話に終始し名残惜しまれながら帰途についた。ご夫人からは重ねて丁重な御礼の言葉をいただいた。

 振り返ると、故高橋洋君の生前の同期会への熱誠あふれる貢献によって、今日の第1期生会の財政的基盤が確立された。山田繁君、馬場雍君とのチームワ-クによって他に比類を見ないほどの同期会の活動の基盤が充実発展・維持されできたといえるであろう。

 また、歴代の会長をはじめ、在京の同期諸兄が団結して同期生会の発展に尽力したことは特記すべきことである。

 

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《 総会で挨拶する会長小林誠君 》

 

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《 総会風景 》

 

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《 本部役員の馬場君の会計報告と山田繁君 》