がんとの闘い(41) BCGの副作用 なし

 1.薬の副作用

    膀胱がんの再発予防治療として、BCG膀胱内注入療法を始めた。

 BCG膀胱内注入療法については、いただいた小冊子によると、「BCGは結核予防ワクチンと同じもので、ウシ型の結核菌を弱毒化したものです。この生きたBCGを膀胱内に注入すると、BCGは腫瘍部位に付着し、細胞内に取り込まれます。すると生体はBCGを異物とみなし免疫応答が起ります。その一方、BCGに対する免疫反応が、多くの患者が発熱、膀胱刺激症状として現れます。この反応はBCG効果の表れでもありますが、症状ひどい場合はが適切な治療が必要になることもあります。」

と記されている。

 また、「BCG膀胱内注入療法は、非常によく効く治療法であるが、治療後に副作用が起こることがある。大部分の副作用は軽いもので、通常2~3日間に収まるといわれている。」と記されている。

 また、自宅における尿の消毒処理についても、詳しく説明を受けたので、慎重に手順に従って処理した。

 

2.異状なし

    BCGの膀胱内注入にあたって,子供のころのBCG接種や諸検査等の経験から、体質的に多分,何か少しは反応があっても大したことはないであろうと思っていたが、 幸い特別の変化はなかった。また、入院中、BCG反応を受けたが特異な症状はなかった。

    まさに「異状なし」であった。当初、自分には副作用がないだろうと思いつつも、これだけは、実際にやってみないと分からないため、「どんなことになるか?」と予測もつかなかったが、1回目の状況から今後続く同治療に伴なう副作用の可能性についての一抹の不安感は払拭され、乗り切れそうだ。

    どんな場合でもそうであるが、個人の体質・年齢・性格・症状等によって薬の副作用はかなり違うであろう。

    科学的ではないが、自分の身体の調子は、自分が一番よく解るのでこれからは油断することなく状況に応じて対処していこう。

 

3.尿の処理 

 BCGの注入は、耐えられない苦しさもなく、予想した程度であったが、その後1時間は排尿を我慢せよとの指示であった。むしろこちらの方が苦しいと思つていたが、結果的には2時間程度我慢できたので、自信が付いたようだ。

 人間は天邪鬼だけに、我慢・我慢といわれるとかえって尿意が増すもの、自己のコントロ-ルは、他のことを考えることによって何とかなった。

 治療後、最初の尿には、BCGが一緒に排泄されるだけに、病院からわが家に帰って手順に従い、便器内へ家庭用塩素系漂白剤を尿と同じ程度入れて、そのまま15分くらい放置して水洗した。

 排泄されたBCGによって感染することを防止するため、念には念を入れて示されたとおりに正しく消毒処理することは、自分はもとより家族に対する義務であることがよく理解できた。

 

4.最初を乗り切る

 何事もそうであるが、最初は未知・理解不足のことも一度体験し乗り切ると、その目的、本質と核心に多少は触れ、理解できるようになるものである。

 第2回は次週であり、がんとの闘いは長期戦となろう。それにしても今週はBCG注入を開始したが普段と変わりない普通の生活を続けることができた。

 私の信念・信条である「病気を抱えていても病人にならない」で毎日を明るく過ごすことができることに感謝している。ありがたいことだ。