がんとの闘い(18) 病人になりきるな

11月4日

今朝は雨模様で眼下に見下ろす市街地も、アクトタワーがどっしりと何時ものようにそびえたっている。

朝方の小雨も上がり、静かな振替休日である。

 

管抜け後の排尿

術後の経過は何の問題もなく推移し、全体的に体調が良好である。

膀胱内の管が抜けてからの排尿間隔も日を追って徐々に通常に戻りつつある。

意識して水分をとっているので、相応の排尿の回数と量がある。

膀胱内に管を付けていた時は、尿は自然に垂れ流し状態であった。

管抜け後は尿意とコントロールのバランスが崩れたものが、徐々に回復しているがその様子を語ることは難しい。

この辺のところは、体験者同士ではアウンの呼吸でわかるが、「曰く言い難し」で、的確に表現てきないもどかしさがある。

人の身体の神秘さに驚くばかりである。

尿の出方が正常に戻るには病状の回復と関連しており時間がかかることが分かった。

日々徐々に回復しつつあることを自分の身体で確認している毎日である。

 

がんと闘う態様

がんを患う人の病状は各人各様である。病院内で生活していると一把ひとからげで語ることはできないと強く感じた。

がんの部位・進度・症状程度・患者の身体、精神状態などで、その苦痛も各人各様で異なっている。まさに「千差万別」である。

 

がんを抱えての日常の生活

幸いにして,私の場合、膀胱内の腫瘍があっても自分で感じる特別の症状はなく、外形からはがんを抱えた人とは全く見られていなかった。

内視鏡で膀胱内の腫瘍をモニターでみて実感することが出来た。

従って、入院手術するまでは普通の生活をしてきた。年齢にしては「元気なおじいさん」と見られてきた。

入院が決まってからは、かえって普段より忙しい生活であった。

入院前後及び入院間やっておくべきことは、大体処置しておいたつもである。

しかし、辛くもなく、張りのある毎日であった。

 

初めから病気に負けるな

その根底には、自分の体内にがんを抱えていても、しっかりとがんを自覚しながら「病人になりきらない」ことを心がけてきた。

「がんに負けないで明るく毎日を過ごすこと」これが私の生活信条であり、「やるべきことはやる」が私の人生観である。

自分ではそれで良かったと思っている。

 

入院生活の質の向上

手術直後の生活は、安静第一であり、各種の医療機材に囲まれて身動きができず苦しい面もあるが、これは避けることができないことである。

いかにこの状態から一日でも一時間でも早く脱するか自らのの努力が大きな要素であるように思う。

これによって、入院生活の質の向上を図ることができる。

 

甘えを克服する

絶対安静ならともかく、手術後主治医の許可が出たら、動くことに努めている。

自分は病人だという「甘え」がある限り、人間誰しも甘えたくなるものだ。ここを乗り越えられるかどうかは当人の意思にかかっている。

治療を受けるにあたっては、自分に厳しく、甘えず、対処していこうと心掛けた。

 

出来ることは自分でやる

自分が出来ることは、他人の手を借りず自分でやることである。

こうした考えから、毎食の食事も、手術日と翌日朝を除いて、病室ではなくデイルームで食事をとっている。

自分で出来ることは自分でやる。これが速い回復につながるように思う。

 

少しでも普段の生活

出来るだけ日常的な普段の生活を取り入れると気分も明るくなるものだ。

同様に長い廊下を積極的に歩くことにしている。体力回復にもってこいだ。

入院にあたっては、病室に籠もりきりにならないぞと決めていたので、機会あるたびに室外に出ている。

恵まれた環境で治療出来ることに感謝する日々である。