航空自衛隊第1期操縦学生(4) 逝ってしまった同期生高橋正君を偲ぶ

故高橋正君を偲ぶ

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《 T-34練習機で初めて単独飛行したころの髙橋正君 「大空の仲間たち」から 》

  第1期操縦学生の高橋正君が去る7月4日薬石効なく胆管がんにより逝去されて早二ヶ月になろうとしている。
 第1期生会会長黒田功君からの訃報によると「前夜はご家族とともに食事ができたそうです。少しも苦しむことのない穏やかな旅立ちだったとの、奥様のお話でした。」とある。
同期生の間では、彼は「じょうしゅう」と呼ばれてきた。
 
 5月4日には、次のようなメ-ルをもらった。
 
  ゴールデンウェーク後半ですが
 お元気ですか。下記に「立夏」を更新しました。
 
 なお、二十四節気のお便りのLINKの最新版に
「戴いたもう一つの健康」と題して私の近況を入れました。
  
**高橋 正**
 
二十四節気のお便り
 二十四節気のお便り」は、亡くなられたお母様「高橋ナツ女」が読まれた俳句に、いろいろな動画を入れ、BGMに季節に合った童謡・民謡等を尺八の音で演出する印象的なものでした。尺八は高橋君の吹奏によるものです。
  
 私は、いつも日本の恵まれた四季、それも二十四節気折々の季節感を楽しんでいました。彼の人柄がよくあらわれている「二十四節気の便り」でした。
 毎回更新したからとメ-ルが届くと、その都度、玉手箱を開く感じでわくわくしながら「今度はどんなのか?」と開いたものです。
 
 5月4日にもらった最後の「二十四節気の便り」は、
「5月5日立夏(りつか)昭和40年作 夏木立 岩かぶりいて暗らし 高橋ナツ女 」BGMは「せいくらべ」尺八の音がいい雰囲気を醸し出してくれます。写真は元パイロットらしく飛行機が出てきます。
 
リンク「大空の仲間たち」など
 リンクして「大空の仲間たち」「偵察航空隊OB会」第7航空団第9飛行隊の「九飛会」「ボケなし通信」「戴いたもう一つの健康」が掲載されている。
 彼は、「戴いたもう一つの健康」のなかで、自分のガンの治療・手術等を克明に記録している。
 第1期操縦学生会の事業として、高橋正君の「大空の仲間たち」を浜松基地「航空広報館」、防府北基地「航空学生顕彰館」に収めたのは幸いであった。
 
創設・発展期の航空自衛隊・民間航空に貢献
 昭和11年群馬県吾妻町に生まれ、中之条高校から宇都宮大学に進むも、昭和30年6月第1期操縦学生として入隊、基本課程、飛行操縦各課程を経て、創設・発展期の航空自衛隊の建設に従事した。わけても新飛行隊の創設に携わり、偵察航空隊勤務、1等空尉で退官、昭和46年日本航空入社、平成8年まで機長として民間航空で活躍した。飛行時間13,943時間41分であった。
 航空自衛隊第1期操縦学生は、それぞれ歩んだ道は異なるが、自衛隊・民間において一人ひとりが時代を背負った一騎当千のつわものであった。彼もまたその一人であった。
 ご冥福を祈ります。