老いる雑感(25) 自分のことは自分でやれること

1 生涯現役を目指した医師

  昨日の夕刊は、生活習慣病の予防や終末医療などに取り組み、百歳を超えても医師として活躍された 東京・聖路加国際病院の名誉院長で文化勲章受章者の日野原重明さんが7月18日 逝去されたことを報じた。105歳。

    とりわけ、医師として患者の人格や意見を尊重する「患者本位の医療」を実践。人間ドックの早期開設に尽力したほか、聖路加看護大学に国内初の大学院博士課程を設置するなど、後進の看護師らの育成を進めた。

 死生学や人間の心にも関心を抱き著書も多数執筆。平成13年に出版した「生きかた上手」は120万部以上のミリオンセラーになったといわれている。

    私が早くから注目し、共感を覚えたことは、各地に「新老人の会」の設立を提唱され、超高齢者社会における新しい老人の生き方、とりわけ、社会への貢献を強調されたことであった。定年になったら社会的な活動を停止するのではなく、自分のおかれた立場と環境で少しでも社会に貢献することを力説されその活動を推進されたことであった。

 超高齢者社会における高齢者の生き方を実践・示唆された方であった。

2 高齢者の共通の願望と終末

    超高齢化社会になって、共通の願望は、「健康で歳を重ねたい」「いつまても元気でいたい」と言うことではなかろうか。高齢になると歳を重ねるにつれて、周りの高齢者の生き様を見て、いつの日か終末・最終段階における自分の姿を重ね合わせるものである。

    人の願望は、実現しないこともある。多少でも願望に近っけばよしとするしかないであろう。それが分かっていながら人は、「いつまでも元気でいたい」と思い、努力を続けるものだ。わが人生の終末期まで、次の三つができたらありがたい。

 自力で行きたい所にいける

    人の介添えなく、自分の気力・体力で行きたい所にいけることである。地域や近場を中心に行ってみたいところがあっても、体力面から諦める人が多い。

    さらには、自分の力でトイレにいけること、用をたすのにいちいち家族の手を借りなくでできることである。 

❷ 地域活動で生涯現役でいたい

 人はそれぞれ人生の歩んた道が異なる。職業人として生涯現役でいることはかなかな難しいが、地域社会の身近なことで、自分にできる範囲のことをやり遂げることはできるであろう。目立たない事柄であるほど地域社会は必要としている。 

❸   介護の世話になりたくない

    できる限り終末に至るまで、介護や医療の世話にならず、健康を保つことが家族のみならず、社会貢献につながる。歳を重ねるにつれてその願望は難しくなるが、自分なりに努力して寝たきりになるのを局限したいとする強い意志を持ち続けたい。俗に言われている「ころりと逝きたい」と思うがどうであろうか。

    つまるところ、最後まで「自分のことは自分でやれること」ではなかろうか。また、最後は家族に見守られながら、「ありがとう」と言う言葉が残せたら最高であろう。