令和5年度・第21回国民の自衛官顕彰(1)  陸自東部方面総監部大崎香織1等陸佐(48) 「女性先覚者PKOなど従事」

 令和5年度・第21回「国民の自衛官」顕彰の隊員及び部隊の横顔紹介が本日から産経新聞で始まった。恒例のフジサンケイグループ主催の画期的な顕彰事業で敬意を表する。

どんな人物が登場するか楽しみである。

❶  陸自東部方面総監部 大崎佳織1等陸佐(48)

      産経新聞 令和5年9月9日   出典

【所感】

 昭和及び平成の初めの現職時代に女性自衛官とは一緒に仕事をしてきた。退官後、防大出身の女性自衛官が、陸海空の各自衛隊でその能力を発揮し活躍している状況を見聞するにつけ頼もしく思っている。

 昭和時代の空幕人事第2班長当時のこと、空幕内で班長会議が行われ、防大に女子学生を採用することの是非について初めての意見交換が行われたことがある。

 空幕勤務までの間、各級司令部及び教育機関で、多くの女性自衛官を教育し、一緒に仕事をしたり、人事担当として人事管理したこと、将来の人的資源及び人的防衛力(戦力)のあるべき方策について諸資料収集し、調査研究した結果からも、防衛大学も女性学生の採用は必須であると考えていた。

 会議の席上、部内出身の異色の班長として、世界の列国の軍隊の趨勢、将来の人的資源及び人的防衛力(戦力)形成からも、防大の女子学生採用は必要であることを発言・主張したことがある。多くが時期尚早ないしは消極的、反対の意見が強かったように記憶している。数年を経ずして、最終的には防大の女子学生採用が決定された。今では当たり前のことになってきた。

 こうしたことから、防大卒業生の大崎1佐が、平成14年に東モチールにおけるPKO国連司令部に幕僚として派遣された記事など関心を持って見守ってきた。法学を大学院で学び、輸送分野から法務官として活躍するなど女性の新しい分野を広げていることを知った。

 世界の軍事組織は、時代を追って変化しつつある。昭和の時代からすると自衛隊における人的資源に関する認識、運用などものの見方や考え方が変わってきた。特に男女共同参画はもとより、女性の活用、活躍の分野が拡大してきた。

 昭和の時代、西警団司令部人事部長当時、空自で初めて女性事務官を自衛官を部下に持つ出納主任に登用したことがある。

 航空総隊司令部では、人事計画担当として、年度充員計画作成の夜間の詰め切り作業に女性幹部自衛官に入ってもらって膨大な計画を完成したことがある。大変な作業であったが、みんなやり切った。

 術科学校の教育部科長として、人事課程で、多くの女性自衛官を送り出した。一般大学出身の部下と教え子から後年、女性航空自衛官、初の将官が2名輩出したことは大いなる誇りであった。

 

❷  第21回国民の自衛官 10人1部隊

   産経新聞 令和5年7月6日   出典