わが生かされた命(1) 何くそ病気に負けてたまるか! ここでくたばってなるものか!

 満77歳前後の10年前に突然、ガンと闘うことになった。最初は左腎盂癌で腎臓の摘出、次いで1年後膀胱癌で施術した。

 手術後は、幸い経過良好で現代医学のおかげと幸運によって、生命拾いをした。昔ならとっくにあの世へ行っていたであろう。したがって、発病以降の生命は、神仏から授かった「生かされた命」と思っている。

 病院への入院は3回した。大手術は2回した。この間、がん病棟で多くのがん患者の闘病の実態を見てきた。抗がん剤投与のためにに入院する人にも出会った。つらい闘病の姿も見てきた。

「ここでくたばってなるものか」「病気に負けてはいけない」と発奮し、手術の翌日から自力で食事場所に出掛けて食事をした。担当医も翌日からは歩いて良いとの助言であったからだ。むしろ身体の活動を促すため奨励していたのではなかろうか。3回とも実行した。

 同室の多くは、病気に飲み込まれたように、ベットの上での上げ膳据え膳であった。私はあえて食事場所に出かけ食事をすることにした。

 この気力と意地が再発、転移を止め,10年間の検査と診察を主とした経過観察を今回でもって終了・完治となったように思っている。

 がんに関する公表資料を見ても、現代医学と治療の進歩によって、がんの回復率が格段に上がってきた。また、がんの部位別生存率も向上してきている。がんに限らず、どんな病気であっても、 何くそ病気に負けてたまるか!    ここでくたばってなるものか!

との気力と意地が大切ではなかろうか。

 現在は、特別なこともこともなく、嵐を乗り切ったような平穏の日々を送っている。