5月に入った。新緑が輝く季節だ。今年の5月1日は『八十八夜』である。静岡県はお茶の産地であり、私の住む神原町の家の周りはお茶畑が広がっている。新茶の葉っぱが生き生きとして散歩で眺めると気持ちがよい。
平成2年に浜松市の郊外に居を構えたころは,新茶も手摘みであった。この時期になると、家内の実家のお茶摘みが思い出される。親戚一族を総動員しても人手が足りないくらいであった。こうしたことから休日にはよく手伝ったものである。
今は大型の機械で摘むというより一挙に刈り取りが行われている。広い茶畑があっという間に刈り取りが終わっている。機械化が進み今昔の差に驚くばかりである。
「夏も近づく八十八夜」と、「茶摘み」の歌が懐かしく思い出される。童謡唱歌で歌われたようなのどかなお茶摘み風景は、観光用でしか見ることができなくなった。
ネットで「八十八夜」を調べてみると、今年の八十八夜は、平年では5月2日であるが、今年は閏年なので、5月1日となるとのこと。八十八夜は、立春から数えて88日目のこと、立春は二十四節気の一つである。 八十八夜以降、霜の心配がなくなると言われているが、毎夕の天気予報では遅霜の予報技行われているところから見ると地域の天候気象による差があるようである。また、この日を境に初夏が訪れるといわれている。天気予報もまさしくそうである。
何といっても「八十八夜」は縁起がよい。八十八夜に摘んだ新茶は、不老不死の縁起物といわれいる。八十八夜の文字に末広がりの「八」が重なっているからであろう。
こうしたことで、縁起にあやかって、家のそばの茶畑に行って夕日の沈むのを迎えた。静かな八十八夜の一日が終わろうとしている。きっと良い日が訪れるであろう。
《 神原町のお茶畑 令和2年5月1日夕方撮影 》
《 神原町のお茶畑 令和2年4月25日撮影 》