84歳老いる雑感(81) 「ありがとう」の思いとささやかな報恩

    歳をとるにつれて、身体の動きが鈍くなってくるものだ。若い時代のようにはいかない。一昨日と昨日は天気よし、気温よしで、地域の「ありがとう花壇」の再整備の一環として、花壇に新しい土を盛ることにした。

    地域のゴミ集積所の近くに、10年来花畑の枯れ枝を5年間分積み上げてきた。これにはどうしても根元に土がついてしまう。ここ5年ほど同じ場所での集積をやめて草木が朽ちるのを待つことにした。大量に集積した枯れ枝は、年月が経つと今は跡形もなくなり、付着した土の中にかえっていった。この土を利用して「ありがとう花壇」に盛ることにした。

   歳月の経過は不思議なものだ。10年来、毎年花畑で活躍した コスモスの枝などを2メートル近く積み上げたものだが全て跡形もなくなり、付着していた土だけが残った。歳月は草木を地にかえした。天地の循環は絶妙である。

     当時、花いっぱい活動の提唱者であり、責任者であったことから、いつの日かお世話になった花木の精が入った土が盛り上がったので処理を行い、締めくくりたいと考えていた。そのままにしておくのは気がかりであり、早期に処理をしたいと考えてきた。

 そこには、報恩というとおおげさであるが、最後は「ありがとう」と綺麗に整地をしておきたいと常々思っていた。役目を果たした草木と一緒だった土は堆肥化しており、再び「ありがとう花壇」などに帰して土壌改良に役立たせたいと考えてきた。    

   そこで、体力の残っているうちに処理をしておきたいとの思いが強くなった。自分に体力があるうちに、再び土に返すことと、少しでも「立つ鳥は後を濁さず」を実践しておきたかったからである。

    第1日目には、シニアクラブ女性会員の一人が作業中の姿を見たらしく、ありがとう花壇のお手伝いをしたいとの申し出があり、花壇周りを綺麗にしていただいた。その上、そっとお茶の差し入れをされて帰っていかれた。ありがたいことであった。

    作業は2日にわたったが、延6時間ばかりで終わった。多少疲れはしたが、何よりも皆さんを楽しませてくれた花木に対する感謝と大いに働いた土を新たな場所である「ありがとう花壇」に入れ活躍の場をつくることができたことであった。

    シニアクラブの設営する「ありがとう花壇」には多くの会員の善意と誠心が寄せられてきた。皆んなの奉仕で成り立っている。次週は月曜会の会員による種まきが予定されている。

   今回、「ありがとう花壇」は模様替えして 、今年の春・夏と同様に来春には、花が彩り癒しの場を提供してくれるであろう。楽しみでもある。

     老いる道のりは様々であるが、元気に地域社会へ少しでも役立つことができれば幸いである。

整備中の「ありがとう花壇」

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