昭和の航空自衛隊の思い出( 436 ) 副司令の立場から地方調査隊長に対する講演

1 指揮官に関する講演
 副司令在任間、昭和63(1988)年7月~平成2(1990)年3月、地方調査隊長が集合する折、「指揮官教育」として、平成元年3月には「地方調査隊長に求められる能力をどのように向上させるか」、「人事幕僚から見た信頼される指揮官」、同年6月には「地方調査隊長として、任務をより効果的に達成するにはどうしたらよいか」というテ-マで,地方調査隊長及び本部科長を対象に講演をした。
 「指揮官職」「隊長職」について、34年余の山あり谷ありの航空自衛官の勤務経験を通じての所信の一端をお話し、立派な指揮官として隊務運営に当たってほしい、地方調査隊長の勤務の資としてもらいたいと熱誠を込めて講演をしたことが思い出された。

2 自衛隊勤務・生活の総決算 
 自衛官生活の最終段階で調査隊副司令に補職され、指揮官教育の場を与えられた。指揮官職に関する講義は、私の自衛隊勤務・自衛官生活の総決算の場でもあった。

   講義の内容等は原稿枚数が多いため省略することにした。調査隊長は経歴はさまざまであるが同じ職域であったこと、調査隊の業務とは全く縁のなかった副司令であり、異色の存在であったこと、長年、人事幕僚の立場から各級指揮官に接してきたこと、自衛隊歴は最も長くかつ最年長者であったことから、講義は熱心に傾聴してもらったように記憶している。

 終活の整理の段階で、当時の講義要旨のメモが見つかった。講義前に筆ペンで講義の構成と要点を書きなぐったものである。今日読み返してみると、自衛隊勤務及び自衛官生活の集大成であり、総決算の思いを込めて、「指揮官職」についての私の所信、考えが綴られていた。

 講義要旨の原稿は、B4にして「地方調査隊長に求められる能力をどのように向上させるか」18枚、「人事幕僚から見た信頼される指揮官」4枚、「地方調査隊長として、任務をより効果的に達成するにはどうしたらよいか」13枚であった。

    将来、指揮官とは何かなど指揮官に関することをテーマにしたとき、触れてみたいと思っている。

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《 全国地方調査隊長の集合 》